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  • 1
  • 名前は無いの
  • 2009/09/20(日) 00:49:26
 素晴らしい作品であるにも関わらず葬り去られようとしている
「シベールの日曜日」について語り、DVD化を願いましょう!

ここまで見た
  • 189
  •  
  • 2010/09/17(金) 19:50:06
以下、アマゾンレビューより転載。

本作品について、一部のシーンがカットされているとのレビューがあります。問題のシーンは、
ピエールが射殺されるという驚くべき場面です。本当に、そんなものがあったのでしょうか。
小生の手元に一つの判断材料がありますので、それを基に検討してみます。
判断材料とは、雑誌『映画芸術』昭和38年7月号に掲載されている「シベールの日曜日」シナ
リオです。ちょうどこの映画が日本で公開された頃のもので、内容を読んでみると、映画から
シナリオを書き下ろしたようです。このため、当初の公開作品からシーンがカットされているか
否かの、重要な判断材料になると思われます。
それによれば、映画の流れは次のようになっています。

1)教会の尖塔  ピエールが風見鶏を取り外し、クリスマスのミサの中を通りぬけてゆく。
2)マドレーヌの部屋 彼女とベルナールが電話を睨んでいるところに、呼び出し音が鳴る。
はじめにカルロス、ついでまたカルロス。最後に警察から。ベルナールが受話器に向かって
「なに?彼を殺した?」。それを聞いたマドレーヌが絶叫する。
3)湖畔の林 フランソワーズを警官らしい人かげが追っていく。
その後、ピエールの惨殺された姿、警官の証言、フラッシュ…最後にシベールがあの台詞を
口にする。

以上のように、「ピエールの射殺シーン」は、見当たりません。とすると初公開の段階では、
そのようなシーンは存在しなかったと考えるのが妥当でしょう。したがって、シーンのカット
批判が「当初のオリジナル版にあったものがカットされている」という意味であるなら、それ
は誤りだと思われます。

ただ、映画の世界ではさまざまなバージョンが作成されるのも常識ですから、別途、ピエール
の射殺シーンを追加したバージョンも作られたのかもしれません。小生は見ておりませんが…。
そうであるなら、追加されたシーンが改めてカットされたことになる。これについて、果たして異議
を唱えるべきか否かは、見ていない人間には測りかねます。
もっとありそうな可能性は、記憶の捏造です。この映画は強烈な印象を残すにもかかわらず、
容易に見られない時期が長く続いていました。すると、観客が一度見た記憶を脳内で操作してし
まう可能性が高い。その一環として、警官の証言から映像を作り上げてしまったのではないか。
そのような人が複数いたとしても、この映画のインパクトからいったら、不思議ではなかろう。
小生の内心の声は、これに傾いています。
だって、射殺シーンとマドレーヌの絶叫シーンは完全に重複しますし、へたにピエールが「ナイフ
を振りかざして」いるシーンが出てきたりしたら、それまでの神秘化がぶち壊しですからね。

しかし、映画ビジネスは巨大で、何があっても不思議ではない。どなたか、正確なところを教え
ていただけると有り難いですね。


ここまで見た
  • 190
  • 189
  • 2010/09/17(金) 20:06:04
そうそう、ピエールがシベールに向けてナイフを振りかざしている
シーンなら、確かにありました。
それは、マドレーヌが2人の密会を隠れて盗み見している時のもの
で、池の水際で、ピエールがふざけてシベールに、あの儀式用の
ナイフを振りあげるという場面。マドレーヌはハッとして目を見開くが
すぐにふざけていただけということがわかる…
こういうシーンとラストシーンが混濁することもありえるでしょうね。

ここまで見た
  • 191
  •  
  • 2010/09/17(金) 21:40:40
>それは、マドレーヌが2人の密会を隠れて盗み見している時のもの
>で、池の水際で、ピエールがふざけてシベールに、あの儀式用の
>ナイフを振りあげるという場面。

これと記憶違いしていたことはないと思います。
この場面は言われるまで気がつかなかったので。

イマジカの録画の冒頭の解説では、114分になっています。
また、NHKの放送のものとは違うソースでした。

NHKのものは、英語テロップで、イマジカのものはフランス語でした。
イマジカのはPCで再生できないもので、NHKのだけですが、タイトル表示のところ

ttp://www1.axfc.net/uploader/Img/view.pl?dr=4697912759&file=Img_94712.jpg

詳しく見ていませんが、エンディングも全然違うので、複数のバージョンが
日本で流れていたことは間違いないのではないかなぁ

何度も見直していたらなんとなく思い出してきたような気がするんだけど、
シベールが目を覚まして、ピエールが自分を刺そうとしていることに気がついて、
そのとき銃声が鳴り響いたと思う。ラストは単にピエールが死んだことを
悲しんでいたのではなくて、もっと複雑な状況だった気がする。

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  • 192
  •  
  • 2010/09/17(金) 21:46:39
ああくそ、なんで吹き替えのビデオ捨てちゃったかなぁ

ここまで見た
  • 193
  • 189
  • 2010/09/17(金) 22:16:29
>>191
>NHKのものは、英語テロップで、イマジカのものはフランス語でした。

これまでテレビで放送されたのは、ほとんど北米版=タイトル場面が英語
でした。
最近、WOWOWで流れたものや、DVDになったものは、タイトル場面が
フランス語で、これこそオリジナルだと思います。
最近放送されたイマジカ版は字幕の訳者を見ると、DVDと同じバージョン
と思われます。これらに射殺シーンはありません。

私はここ5〜6年、NHKBSで流れたもの、WOWOWで流れたものや地
上波で流れたもののうち、東京で見られるもののほぼすべてを見ていま
すが、射殺シーンは見たことがありません。
さらにいえば、それ以前に淀川さんの日曜洋画で流れた版も、フジの深夜
で流れた版も、NHK地上波の版もと、地上波の番組だけでも5.6回見て
います。そのどこにも、射殺シーンはありませんでした。
再ロードショーの際、映画館に何度も通って見た画面にも、もちろんあり
ませんでした。

ただ、明確に違うバージョンはありました。それは地上波の吹替え版で、
背景音楽がまったく違うのです。淀川さんの番組でも流れたのはこちらで、
バックにはアルビノーニのアダージョが延々と流れていました。小生は、
結構こちらのほうが好きでしたがね。ただ、シーン自体に新しいものはあり
ませんでした。

以上の経験と、作品の整合性(マドレーヌの絶叫と共存できない)から、
小生は射殺シーンなどなかったと考えます。


ここまで見た
  • 194
  •  
  • 2010/09/17(金) 23:00:03
>>193
確信はまるでないのですが、記憶では、目をつぶって何か寝言のようなことを
つぶやいていたシベールが大きく目を見開いたアップに銃声がかぶり、その後、
シベールとピエールがどづなったかは不明のまま、マドレーヌのシーンに変わります。

シベールが刺されたのかも、ピエールが撃たれたのかも不明のままなので、
電話で初めてピエールが射殺されたことがわかり、特に不整合は感じなかったと
思います。

30年近く前の印象なので、歪んで記憶されていると思いますが、当時は、
ピエールがシベールの本名を知っていることを自分ひとりで独占したくて
彼女を殺そうとしたのかな、というような風に考えていました。シベールの
本当の名前を知った後で、少し気味の悪い目つきで彼女をじっと見つめて
いましたよね。あの場面で、これは何か恐ろしいことになりそうだという
予感がありました。

なんでラストがずっと引っかかっていたかと言うと、シベールはピエールが
自分を殺そうとしたことに気がついていたらしいのに、ラストの彼女の
台詞がうまくつながらない気がしたからなんです。単にピエールの死を
悲しんでいたと解釈できたなら、とりたてて印象に残ることはなかったと思うので。

ここまで見た
  • 195
  • 193
  • 2010/09/17(金) 23:13:14
>>194
おや、ということは、「ピエールがシベールにナイフを振りかざしていた」
というのではないのでしょうか?
アマゾンのレビューでは「振りかざしていた」という人が多いようですが。

それはともかく、シベールが目を見開いたシーンに銃声がかぶるのでは、
恐らくピエールが狂気だったことが明示されてしまいますので、整合性と
いう面でアウトではないでしょうか?

ここまで見た
  • 196
  • 193
  • 2010/09/17(金) 23:27:59
別のアマゾンレビューによると、「射殺シーン」は遠景で、
すりガラス越しに見たような光景ということでした。

そもそも存在さえ疑われるシーンに、そんなにバリエー
ションがあるのでしょうか?


ここまで見た
  • 197
  •  
  • 2010/09/17(金) 23:28:24
>>195
いえ、シベールの顔アップの前に、外で私服警官がピエールのシルエットを
見ていたと思います。自分が>>55で刺そうとしていると書いているのは
そのことです。明確に刺そうとしていたと言い切れるほどはっきりしたもの
ではなかったような気がします。それで、>>56さんのレスで自分の記憶に
自信がなくなって、今日このスレを読んでからアマゾンのレビューを見に行って、
あ、やっぱり自分の記憶どおりだったのかなぁ、と。

>恐らくピエールが狂気だったことが明示されてしまいますので

そういうふうに見えたと思います。ああ、やっぱりちょっとおかしかったのね、と。
シベールに抱きついた子どもをひっぱたいたり、騎手に嫉妬したりしていたのが、
風見鶏を取るシーンで、治ったような台詞を言っていたので、シベールを刺そうと
したのがとても意外な感じで、とにかくラストが気になる映画だったのです。
刺そうとしていたというのが自分の誤解で、警官の発砲は誤射だったのか?
とか、>>56さんのレスになんか記憶と合わないものを感じつつも、確たる
自信も無く。

ここまで見た
  • 198
  •  
  • 2010/09/17(金) 23:31:12
補足すると、シベールの目線でのピエールの姿は映っていなかったということです。
何かぶつぶつ言っていたのが、目を見開いて驚いた顔をして室内のシーンは終わり。

ここまで見た
  • 199
  •  
  • 2010/09/17(金) 23:45:54
連投ごめんなさい。

自分の中でも、警官の発砲は誤射というか、誤認に基づくもので、
シルエットこそナイフを振りかざしているように見えたけれど、
実は違ったのかな、という気持ちもずっとあったのです。

シベールの表情も、恐怖の顔ではなかった気がするので。
シベールが何を見たのか、よくわからない描き方だったと思うんですよね。

ここまで見た
  • 200
  • 193
  • 2010/09/17(金) 23:50:38
ふうむ、これ以上は、「シーンがカットされた」という人々に、カットされた
シーンを何らかの形で明示してもらうしかないですね。
つまり、オリジナルにはなく、その後追加されたシーンにはどのような場
面があったかを、証拠とともに提示していただかないと、後はただの個人
的追憶の底なし沼だと思います。
なおかつ、このシーン・カット論議は、作品理解を深化させるモメントが
ないのでは? 


ここまで見た
  • 201
  •  
  • 2010/09/17(金) 23:55:33
そうなんですよねぇ。どなたか、録画されていた方の登場を期待したいです。

ただ、警官の早とちりで射殺されました、よりも視聴者に複雑な感情を引き起こす
ラストだったということは、(記憶が正しいならですが)言えると思います。

ここまで見た
  • 202
  • 193
  • 2010/09/18(土) 00:04:48
>>201
そうお考えなら、あなたが廃棄したビデオの録画というのは、いつ頃の放送のものか、
明示したほうがいいと思いますよ。
私も地上波の吹替え版は何度も見ています。それでも射殺シーンには、残念ながら
お目にかかったことがない。


恐らく、とてもレアなバージョンのはずですwww

ここまで見た
  • 203
  •  
  • 2010/09/18(土) 00:12:56
>>202
1982年から90年頃の間の録画だと思います。
80年代末は個人的にテレビをほとんど観ない生活だったはずなので、
多分、80年代半ばの可能性がいちばん高いです。

ここまで見た
  • 204
  •  
  • 2010/09/18(土) 00:20:20
吹き替えで印象に残っている点としては、シベールの本名を
知ったときに、ピエールがなんというか、ネットリした発音で、
シベール、シベールと繰り返していた記憶があります。

シッベェ〜ル、みたいな感じ。

ここまで見た
  • 205
  •  
  • 2010/09/18(土) 08:58:03
何かを上書きして、最後のほうだけでも残っていないかテープをあれこれ探しましたが、
見当たらない。一時、字幕原理主義者になっていて、吹き替え録画をほとんどみんな
捨ててしまったのが悔やまれます。
それにしても、地上波放送を何度も観ているってすごいですね。あまりテレビを観るほうでは
なかったせいか、何度も放送があったことに気がつきませんでした。映画も録画はするけど、
そのまま放置だったりで。シベールもNHKの録画をちゃんと観ていれば、違いがあることが
わかって吹き替えを処分しなかったのだろうけど。一度録画しちゃうと、放送があっても
まず観なかったもので、放送内容の違いとかあまり気にすることがなかったんですよね。
もちろん民放で放送枠の関係でカットがあることは承知していましたが、所詮テレビで、
吹き替えだし、と。
少しばかり残っているテープをあれこれ再生していたら、ジャン・マレーの美女と野獣の
吹き替えとか、ものすごく画質の悪い池田昌子が声を当てているオードリーの戦争と平和とか
出てきて、ちょっと楽しかったですが。

ここまで見た
  • 206
  •  
  • 2010/09/18(土) 09:52:48
>>200
>このシーン・カット論議は、作品理解を深化させるモメントが
ないのでは? 

非常に重要な指摘だと思います。
ピエールを殺したのは警官などではなく
無理解な大人たちだったのではないでしょうか?

ここまで見た
  • 207
  •  
  • 2010/09/18(土) 11:44:12
あちこち検索して、下のブログ記事を読んでなんとなく納得しました。
ttp://blog.livedoor.jp/dennismoore1988/archives/51853989.html
というのは、また少し思い出したので。

目を開けたシベールは、正面に立っていたのであろうピエールを見てぼんやり微笑んだんです。
だから、警官が見たピエールのシルエットは、きっと遊んでいるふたりの姿だったのでしょう。
数十年前の私のミスリード(>>194)は、本当の名を知ったときのクリューガーの演技を
不気味に感じてしまったのと、警官の証言をそのまま事実と受け取ったせいですね。

記憶に誤りがなければ、なるほど、このシーンのカットで映画が変わることはないですね。
でも、シベールの表情アップを切ってしまうのは惜しいなぁ。

ここまで見た
  • 208
  •  
  • 2010/09/19(日) 02:31:44
まぁ、「サイコ」でも刺殺シーンそのものはないし
存在しないシーンを観客に幻視させた監督の手腕を褒めたたえたい

ここまで見た
  • 209
  •  
  • 2010/09/19(日) 02:59:14
ところどころにピエールの不気味な表情や行動挟んだり、
BGMが不穏な感じだったりしてミスリード誘ってる部分も多々あるもんね。
時間のデータに110分、114分、116分ってばらつきあるから(106分ってのもあった)、
やっぱりカットシーンもあるのかなとは思うけど。
監督はまだ存命だしどこかの時点で意図的に作り変えたのかもしれんね。
シベールがピエールの殺意に気づく描写があるかないかではけっこう印象変わるし。
もしあったなら最後のシベールのセリフに「それでもピエールを愛している」的な意味が付加される。
監督はそれを説明過多だと思ってカットして一気に死体のシーンまで飛ぶことで
ピエールが結局正常だったのか異常だったのか、トラウマが癒えたのかも全部描かずに
観客を一気に突き落として余韻を残す効果を狙ったのかも。
自分はDVDで初見だったけど、カットシーンがあるかもという点も含めてこれはこれで謎めいてて面白いと思った。
いずれにしても変な魔力のある映画だわ

ここまで見た
  • 210
  •  
  • 2010/09/19(日) 09:03:38
このサイトのあらすじが、カットシーンの件も含めいちばん詳しそうです。
ttp://spotlightlesscinema.blog54.fc2.com/blog-entry-52.html

ドイツ語のwikipediaでも、警官に撃たれると書かれています。
ttp://de.wikipedia.org/wiki/Sonntage_mit_Sybill

現行入手可能になった映像では、もう少し遅かったら危なかったという
表現だけで、射殺したとは言っていません。恐らく銃を使ったのだろうと
想像することは可能な映像ですが。

また、ピエールがシベールが眠ったのを確認してから風見鶏を取りに
出かけるシーンがあったはずなのですが、カットされていつ出かけたのか
わからなくなっています。

ところで、イマジカの字幕、かなりマイルドな表現にされているようです。
たとえば、割れたグラスでピエールが指を切ったとき、

「かわいそうに、血が出てる。……もう他人じゃないわね」

となっていますが、昔のNHKの字幕は、

「血を出したほうがいいわ……あなたの血を飲んだから心がわかる」

です。原文は、

「かわいそうなピエール、こういうときには少し血を出したほうがいいの、
知ってるでしょ?……あなたの血を飲んだからあなたの考えていることは
全部わかる」

みたいな意味のようなので、シベールのエキセントリックな雰囲気は
NHKの字幕のほうがよく伝わるように思います。

また、酒場でピエールを探すマドレーヌに「色男のサティールだろ」というところは
「痴漢だろ」と露骨な意訳にされています。たしか、私の観た吹き替えでは
単に「サティールだろ」となっていて、意味がわからなかったのですが、
後日NHK字幕を見て、そういうニュアンスを含む人名なのかと思った記憶が
あります。

ここまで見た
  • 211
  •  
  • 2010/09/19(日) 09:15:40
補足。

いっそ、日本でもギリシャ神話でよく知られている「サテュロス」と表記してくれれば
もう少しわかりやすいと思うんですけどね。

ここまで見た
  • 212
  •  
  • 2010/09/19(日) 12:03:14
ピエールの死体のカットで風見鶏と短剣(なぜか伸ばした右腕の上)を確認することができます。
通報を受けてシベールを保護しようとした警官にピエールが襲いかかろうとして・・・ということだったのではないでしょうか?
いずれにしてもピエールとシベールふたりの関係に対する世間の偏見誤解が引き起こした悲劇だという構図は変わらないのだと思います。
210のサティールの意図もピエールは周囲の人間から危険な人物だとみなされていたという事実を強調したものだといえるのではないでしょうか?
ピエールが不気味な人間にみえるなどという感想がみられますが、もしかしたら観客に対する挑戦かもしれません。
だってね、ピエールを殺したあいつらと同じってことになるからね。

ここまで見た
  • 213
  •  
  • 2010/09/19(日) 12:44:34
>>210
>原文は、
>「かわいそうなピエール、こういうときには少し血を出したほうがいいの、
>知ってるでしょ?……あなたの血を飲んだからあなたの考えていることは
>全部わかる」

シナリオでは「一心同体になった」となっていますね。フランス語のわかる人
がいれば、問題解決ですが。

また、サテュロスの件は、端的に「色きちがい」と訳すのが正解でしょうが、
政治的言い変えを考慮すると、今なら「エロオヤジ」ということになるかな。
サテュロスだけでは、日本文化圏には無理がありますね。

>>212
>シベールを保護しようとした警官にピエールが襲いかかろうとして・・・とい
>うことだったのではないでしょうか?

それは誤りです。
警官の証言では、1秒を争う状況だったという緊急の状況だから、身体の拘
束とかではなく問答無用に射殺するということも許容されるという理屈になっ
ています。
ピエールが警官に襲いかかろうとして、警官が身を守るためということなら、
証言と食い違ってしまいます。



ここまで見た
  • 214
  •  
  • 2010/09/19(日) 14:09:29
イマジカ版=DVD版の字幕は誰ですか?
ノートリミング旧ビデオ版とは別ですか?
NHKのトリミング版は松岡葉子でした。

ここまで見た
  • 215
  •  
  • 2010/09/19(日) 14:16:38
>>213
シベールはギリシャ神話のレア(クロノスの妻でゼウスの母。デメテルやペルセポネーと
同一視されることもある)で、シベール本人曰く、「とても古い、木と大地の女神」ということ
ですから、ピエールをギリシャ・ローマ神話の神々に喩えるのは洒落が効いていて
面白いのではないかと思います。

ピエールがサテュロスに喩えられたのは、単にサテュロスが好色な神であるだけで
なく、目撃された場所が森の中だったからでしょう。サテュロスはパンと同一視される
ことも多い、半人半獣の姿の森の神で、カール・ケレーニイによれば、「ニンフ(妖精)
を愛しても罰せられないもの」なのだそうです。また、ニンフに恋をして命を落とす
人間のことを、ローマ人は「リュンパーティクス」と呼び、リュンパは「ニンフ」または
「水」の意味なのだそうです。リュンパーティクスはルーナーティクスとも言われ、
夢遊病者、のちには軽い精神異常を起こすものという意味になったとか。
英語のlunatic は、いまは月と関係付けられますが、語源的には関連があるのじゃ
ないかな。

パトリシア・ゴッジのシベールは大地母神というよりは、水を住処とするニンフが
似合いそうですし、作中で「ふたりの家」だと水の波紋を覗き込むふたりの姿も、
作中でシンボリックに描かれていました。愛しても罰せられないはずのサテュロスが
結局殺されてしまうのは皮肉ですが。

たしかにサテュロスだけだとわからない人が少なくないかもしれませんが、
フランス語でサティールよりはまだマシじゃないかな。痴漢とかエロオヤジは
ウィットに富んだフランス人がつけたあだ名としてはさすがにねぇ。

フランス語原文は、こんな感じだそうです。アクサンは飛んじゃってます。

Pauvre Pierre. Dans ces cas-la, il faut que ca saigne un peu.

La, c'est fini.

Je vais connaitre toutes tes pensees, maintenant que j'ai bu ton sang.


ここまで見た
  • 216
  •  
  • 2010/09/19(日) 14:29:40
>>215
>Je vais connaitre toutes tes pensees, maintenant que j'ai bu ton sang.

なるほど、「あんたの考えがみんなわかるわ」でいいですね。

いまひとつ、エロオヤジは、もっと婉曲で、なおかつ意味が明確なフレーズを
訳者が考えるべきでした。サテュロスでは、どうも…。


ここまで見た
  • 217
  •  
  • 2010/09/19(日) 14:38:33
>>214
小林ユリカ

という訳者名でクレジットされていますね。松岡訳とは一長一短かな。
ビデオのほうはどうだったかな。
ラックの奥にあるので、気が向いたら後で確認してみますw

ここまで見た
  • 218
  • 216
  • 2010/09/19(日) 14:50:59
そういえば、ユーゴーの「レ・ミゼラブル」を初めて訳した黒岩涙香は
主人公がカフェか何かで食事しながら密談したシーンを、「屋台で
おでんをつつきながら密談した」と訳してましたw パリのおでん屋と
は、なんと素晴らしい怪訳!!
ま、文化圏の相違による無理は当然生じる事態です。それを踏まえて
いかなければ、ということかと思います。

ここまで見た
  • 219
  •  
  • 2010/09/19(日) 14:54:08
>>216
あだ名として「サテュロス」を残して、その後の話の中で「好色な森の神様だよ」とか、
何か工夫してほしい気がします。「色男の…」とした小林訳は、そういう意味では
工夫したってことなのかな。

手元の世界名作劇場の録画は松浦美奈訳でした。NHKでもいろいろな字幕が
あるんですね。スタンダードサイズですが、時間はだいたい1:50分あるようです。

ここまで見た
  • 220
  •  
  • 2010/09/19(日) 16:19:32
>>217
有難うございます。
聞かない名前ですw

>>219
松浦女史の字幕版もあったんですか。
それは観たい。
NHKは数年毎に字幕を変えますからね。
一つの作品で3人くらいは普通ですよ。

ここまで見た
  • 221
  •  
  • 2010/09/19(日) 17:21:07
ラスト付近を何度も見直して、現行のものにないシーンを含むバージョンがあったことは
確信しました。ピエールが眠ってしまったシベールを見て、いたずらっ子のようにうきうきした表情で
出かけるシーンをはっきり思い出しましたので。
撃たれるシーンはどうもはっきり思い出せないのですが、少し離れた暗がりから屋内を
望むようなアングルで、たしか警官の目線でナイフを振り上げているピエールの様子が
見える、ということだったと思います。

下のサイトの管理人さんが、「ピエールが殺される前後のシーンがカットされて
いますのであえて貼り付けませんでした。」と書いているのは、その辺のカットシーンの
ことではないかな。
ttp://patriot1968.iza.ne.jp/blog/entry/716062/

マルセリーノの吹き替えは捨てなかったのに、シベールは捨ててしまった自分の馬鹿。

ここまで見た
  • 222
  •  
  • 2010/09/19(日) 17:34:34
>>221
>警官の目線でナイフを振り上げているピエールの様子が見える

とすると、ピエールは狂気だったと結論づけるシーンなのですか?

ここまで見た
  • 223
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  • 2010/09/19(日) 17:53:27
>>222
いえ、そこまではわかりません。

その屋外から窓を望むシーンのあと、シベールの顔のアップに場面が変わって、
銃声がして、シベールの表情が急変(台詞はなし)、その後マドレーヌの部屋の
シーンに変わってしまうので、ピエールがふざけていたのか、医者の言うように
ベトナムの記憶がよみがえって、自分が殺した少女とシベールが重なって……、
なのか、映像からは判断がつかなかったと思います。

自分は昔、(シーンの切り替わり具合から)殺そうとしたんだろうな、
と思ってたんですが、いまは、シベールが目を覚ましたのは、警官がナイフを
振り上げたピエールを見るよりわずかに早かったんじゃないかなと思っています。
つまり、劇中で、数秒間だけ時間を戻したシーンに切り替わっている。

シベールが目を覚ましてから銃声だったと思うので、辻褄は合うんです。
時間的には、シベールが目を覚ましてピエールを見る、ピエールがナイフを
振り上げる、警官がそれを遠目に目撃して発砲する、という順序が、
映像上は前後が入れ替わっている。

でも、結局はわからないですね。少なくとも、ピエールがふざけていたと
確信できるような描写はなかったと思うし、逆に遠目に見た警官の発砲は
止むを得ないと思われるシーンだったと思いますから。

ここまで見た
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  • 2010/09/19(日) 18:16:17
>>223
やれやれ、それはすべてあなたの記憶の中のイメージですよ。
幻想だから、いくらでも修正が効く。思いちがいでしたで済む。
ここは2ちゃんだから、それで作品を語るな、とは言いません。
ただし、少なくとも小生は、いちいち付き合ってはいられない。
もう少し、幻想と事実を分離して語ってはどうでしょうか。


ここまで見た
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  • 2010/09/19(日) 20:04:16
幻想だと思われるのならそれで結構です。

一応、思い出したシーンを並べると、

・ シベールの寝顔を見てから、いずこかへ出かけるピエール

・ 眩暈に苦しみながら、教会の屋根を登るピエール

・ 風見鶏を持って戻るピエールと、それを尾行する警官

・ 窓に映る短刀を振りかざすピエールの姿を見る警官

・ シベールの顔のアップと銃声

2番目の、眩暈を感じながらそれでも風見鶏をめざすピエールのシーンは、
私の創作であるなしにかかわらず、挿入されているほうが自然なシーンとは
思われませんか?

ここまで見た
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  • 2010/09/19(日) 21:10:07
いま、我々の前にはオリジナルの画像があります。オリジナルには、射殺シーンなどなかった。
ここまでは間違いありません。公開当初のオリジナルのシナリオがありますからね。

それを前提に作品を語っていたのですが、シーンがカットされているという主張があり、しかし、
誰もカットされたシーンが何なのか明示しない、或いは主張する人間によりそのシーンはバラ
バラであり、そのどれにも物証がない。というより、今思いだしたなどというレベルの話である
…そのような事態に我々は直面している。

カットされているとの主張は、それで結構でしょう。しかし、問題を整理したうえで、妄想は妄想
として語ってはどうか。それが私の考えです。

日常的な思い違い、勘違い、記憶の誤りはいくらでもある。そこから考えても、映画の思い
違いは当然あり得る。もし、自分の記憶と、映像が異なるなら、普通は自分を疑います。
ところがカット論者は、自分の記憶の正しさを主張して憚らない。そこが奇異だと普通は思い
ます。皆さんは、自分の記憶が「絶対音感」ならぬ、「絶対記憶」だとでも考えておられるのか。
無自覚に妄想を垂れ流して、作品理解を混乱させるのは迷惑だと思いますね。


ここまで見た
  • 227
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  • 2010/09/20(月) 00:02:57
とりあえじ、シネフィル・イマジカに問い合わせしてみました。

ここまで見た
  • 228
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  • 2010/09/20(月) 02:34:54
ピエールはあの短剣を使って風見鶏のネジを外していたのだから、
ピエールの死体の側に短剣があっても何ら不思議は無いのでは。
短剣も風見鶏も、どちらもシベールにとって大切なものだしね。
シベールに風見鶏を贈る際、短剣を振り上げる様な仕種を取ったのかも。
シベールの事だから、ピエールが風見鶏を抱えて現れた瞬間、
大喜びで抱きついてきたかもしれないし。危なくないように。
で、それを見てしまった警官が勘違いしてピエールを射殺した、と。

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  • 229
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  • 2010/09/20(月) 03:41:25
今のバージョンだと、ピエールが遊園地で乱闘騒ぎを起こしたとき
シベールが「ピエール!」と叫ぶところまで、はっきりわかるんですね。
もうひとつ言えば、カルロスの家でチベット音楽がかかっている時、
奥さんがオーディオ機器のヴォリュームを下げようとしているのも
はっきり見える。それに対して、カルロスは「音を下げるな」と言って
います。これまでは、「部屋を閉めるな」等の意味不明な訳になって
いました。

今回のDVDは、いろいろなことをすっきりさせてくれたような気がします。

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  • 230
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  • 2010/09/20(月) 05:43:08
スクリーンあたりに投書してみれば解決するんじゃなかろうか

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  • 231
  •  
  • 2010/09/20(月) 09:19:37
DVDでこの映画を初めて観た新参者なので、もちろんカットなし派です。
映像になっていないところで何が起きたのか、もう一度考えてみました。
ピエールの死体のカットからわかることは、ピエールの遺体はだれかが
移動させたものではなく、まさにその場所でピエールが絶命したということ
だと思います。シベールへのクリスマスプレゼントである風見鶏を左わき
に抱え、高く振り上げた右手には短剣がキラリ。だれに向けられたもの
だったのでしょうか?心地よく眠るシベールをふたりの家からさらおうとした
警官以外には考えられません。そして・・・。このようなことが想像されますが
わたしが気になるのはそのあとの警官の手から逃れようとするシベールが
雪の積もる森の中をかけていきますが・・・というシーンで、いくら想像しても
うまくつなげることができません。つまり?このシーンは監督がどうしても撮
りたかった絵で大事な何かを象徴しているのではないでしょうか?いうまでも
なく記憶喪失は逃避的な症状で・・・うまく説明できません・・・。
どなたか解説お願いします。

ここまで見た
  • 232
  •  
  • 2010/09/20(月) 09:25:01
「部屋を閉めるな」って、ずいぶん不思議なバージョンがあったんですね。
英語字幕、某所にあったBS2 松岡訳(何年の放送かな?)、平成3年1月放送の松浦訳を
並べてみました。小林訳は省略

...look what I've found for the aviary.
BS2 松岡 
ピエール この鳥かごを見ろ
名劇 松浦
鳥かごにぴったりの音だ

Don't, Carmela! Let us listen, can't you?
BS2 松岡
カルメラ そのまま聴かせろ 大きな音で
名劇 松浦
音を下げるな 大きくしろ

- You must listen very hard to this!
- You weren't even listening!
BS2 松岡
- 聴いてたの?
- 聴いてたさ
名劇 松浦
- うるさいわ
- 我々は聞いてるんだ

We were listening! We were listening without seeming to.
BS2 松岡
そう見えなくても
名劇 松浦
字幕なし

We were listening, but you'll never understand.
BS2 松岡
お前には分からんよ
名劇 松浦
お前にはわからん

And, anyway, I don't mind. I know it by heart.
BS2 松岡
この音は知り尽くしてる
名劇 松浦
心の奥で聞くんだ

No, be quiet!
BS2 松岡
黙ってろ
名劇 松浦
静かに

Now it's the end of the ceremony.
BS2 松岡
儀式の終わりだ
名劇 松浦
儀式の終幕

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  • 233
  •  
  • 2010/09/20(月) 09:35:44
>>232
おお、御苦労さまでした。

カルロスがシッキムの声明を聞いているところで、奥さんが
ボリュームを下げようとする場面、先日流れたWOWOWの
松岡訳は、こうでした。

「カルメラ 窓を閉めるな」

意味不明としかいいようがありませんねw

ここまで見た
  • 234
  •  
  • 2010/09/20(月) 09:37:35
英訳が原文に近いものだとすると、松岡訳は直訳的で、松浦訳は意訳気味、
ただし、最初のところは、「鳥かごのために見つけてきた音楽」という意味でしょうから、
松浦訳の方が良さそうです。全般に松浦訳は人名を省略してしまっているので、
名前を入れてくれているところは松岡訳が丁寧でいいと思います。

松浦訳を見直してみると、口語表現としては無理がありますが、格調高い名訳が
多いと感じました。「痴漢」とか、変なところもあるんですけどね。

尼僧に肩を掴まれながら「ピエール!」と叫ぶところは、松浦訳バージョンでも
はっきり聞こえますが、シネマスコープで見られる新マスターはいいですね。



ここまで見た
  • 235
  •  
  • 2010/09/20(月) 09:45:44
連投失礼

それから、サテュロスの件、

BS2の松岡訳は、「半人半獣神(ルビで、サテュロス)のことか?」となっていました。

その後のセリフで、「・・・妙な雰囲気で。サテュロスと名づけたのさ」と続いていました。
これはとてもいいと思いました。

ここまで見た
  • 236
  •  
  • 2010/09/20(月) 16:02:04
>>206>>212>>231を投稿した者です。なんかけっこう重要な発見をした気になって
いるのですが・・・。わたしは新参者です。映画的な手法に詳しくなくて、もんもんと
しています。

だれか早く解説してくれ〜〜

わかったこと

・問題としたシーンには同じシーンが容易にみつけられる。

・記憶喪失は逃避的な精神症状である。

・シベールもまた居場所のない少女だった。

・ピエールを殺したのは世間の偏見と誤解であり、観客もまた世間である。

・カットされたというシーンは妄想であり、自己の欲求の現われである。

・その他

よろしくお願いします。


ここまで見た
  • 237
  •  
  • 2010/09/20(月) 16:32:07
>>236
ピエールを殺したのは現代社会、キリスト教文明。
つまりは、人類の自滅を示唆しています。

そういう解はお好きじゃないかな?

ここまで見た
  • 238
  •  
  • 2010/09/20(月) 17:13:58
>>237
レスありがとうございます。
人類の自滅とはまた恐ろしい・・・。わたしにはさっぱりわかりません。
ほかのもっとわかりやすいのはないでしょうか?

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  • 239
  •  
  • 2010/09/20(月) 17:17:12
では、簡単に言うと、この映画は「反戦映画」です。
詳細はアマゾンのレビュー「分析的シベール論」に書いて
置きましたので、気が向いたら参照されたし。

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  • 240
  •  
  • 2010/09/20(月) 17:25:13
ピエールのような純粋な人間はキチガイ変質者と呼ばれ
現代資本主義社会では排除され抹殺されてしまうという悲劇。

砂時計アラームタイマー
フリック回転寿司
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