シベールの日曜日のDVD化を願う! [sc](★0)
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- 215
- 2010/09/19(日) 14:16:38
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>>213
シベールはギリシャ神話のレア(クロノスの妻でゼウスの母。デメテルやペルセポネーと
同一視されることもある)で、シベール本人曰く、「とても古い、木と大地の女神」ということ
ですから、ピエールをギリシャ・ローマ神話の神々に喩えるのは洒落が効いていて
面白いのではないかと思います。
ピエールがサテュロスに喩えられたのは、単にサテュロスが好色な神であるだけで
なく、目撃された場所が森の中だったからでしょう。サテュロスはパンと同一視される
ことも多い、半人半獣の姿の森の神で、カール・ケレーニイによれば、「ニンフ(妖精)
を愛しても罰せられないもの」なのだそうです。また、ニンフに恋をして命を落とす
人間のことを、ローマ人は「リュンパーティクス」と呼び、リュンパは「ニンフ」または
「水」の意味なのだそうです。リュンパーティクスはルーナーティクスとも言われ、
夢遊病者、のちには軽い精神異常を起こすものという意味になったとか。
英語のlunatic は、いまは月と関係付けられますが、語源的には関連があるのじゃ
ないかな。
パトリシア・ゴッジのシベールは大地母神というよりは、水を住処とするニンフが
似合いそうですし、作中で「ふたりの家」だと水の波紋を覗き込むふたりの姿も、
作中でシンボリックに描かれていました。愛しても罰せられないはずのサテュロスが
結局殺されてしまうのは皮肉ですが。
たしかにサテュロスだけだとわからない人が少なくないかもしれませんが、
フランス語でサティールよりはまだマシじゃないかな。痴漢とかエロオヤジは
ウィットに富んだフランス人がつけたあだ名としてはさすがにねぇ。
フランス語原文は、こんな感じだそうです。アクサンは飛んじゃってます。
Pauvre Pierre. Dans ces cas-la, il faut que ca saigne un peu.
La, c'est fini.
Je vais connaitre toutes tes pensees, maintenant que j'ai bu ton sang.
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