上代特殊仮名遣い 二音目 [sc](★0)
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- 1
- 2012/06/23(土) 20:31:32.19
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前スレ:上代特殊仮名遣い
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/gengo/1305988303/
立てた
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- 668
- 2013/12/02(月) 00:20:52.48
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条件異音は撤回して修正版
この休日を使って、万葉仮名の漢字から、呉音と現代北京音と、
ネットで上古音を比べて、整理してみた。こんなもんでしょう。
基本5母音で、ところどころ y や w が入って拗音化したけど、
倭人にとっては語の識別には意味がなく、渡来人が書き分けていたと。
言語学的に見て単音だけの8母音は不安定だし、
仮に8母音が存在しても、ネイティブが区別できる母音が
短期間で3つも減ることなんてありえない。
a yi wi u ye ei wo o
ka kyi kwi ku kye kei kwo ko
ga gyi gwi gu gye gei gwo go
sa syi syi su sye sye swo so
za zyi zyi zu zye zye zwo zo
ta tyi tyi tu tye tye two to
da dyi dyi du dye dye dwo do
na nyi nyi nu nye nye nwo no
pa pyi pwi pu pye pei po po
ba byi bwi bu bye bei bo bo
ma myi mwi mu mye mei mo mo
ya yi yi yu ye ye ryo yo
ra ryi ryi ru rye rye rwo ro
wa wi wi u wei wei wo wo
とにかく8母音なんてファンタジーだし、有坂大先生の母音調和も
今ではネットで瞬殺されるレベルの稚拙な統計処理だし。
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- 669
- 2013/12/02(月) 02:56:21.29
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なんで呉音や現代北京音と比べたがるのかとか
韻鏡で比較して当時の音を推定とかもうおびただしい数やられてますが何かとか
saじゃなくてtsaだとか
母音の違いでなく拗音化だったとして、なんで渡来人特有で倭人にとっては無関係と言えるの?とか
(これ、松本克己論文も特に根拠なく断定してて意味がわからなかった)
本当にネットで瞬殺なら最新の言語学で否定されてるだろとか
それともあれか、ネットで言いたいだけの人か
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- 670
- 2013/12/02(月) 07:11:12.79
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戦後すぐには8母音だったのにそれからわずか1〜2世代で5母音化した日本語名古屋方言とか
19母音だったのが半世紀あまりで12母音になったフランス語パリ方言とか
20世紀初期には10母音だったのに20世紀末期には7母音になった朝鮮語ソウル方言とか
100年しないうちに母音が3つ減ることなんて言語学上ではありふれたことだよ
よく知らないのに「ありえない」なんて言わないほうがいい
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- 671
- 2013/12/02(月) 11:30:25.39
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松本説は世界の言語を多数観察した結果の音韻類型論を踏まえている。
「よくある」「ありふれている」なんて誘導的な文言ひとつでひっくり返すより
論文の一本も書いたらどうだろう。こんな所で匿名でこそこそやるんじゃなくてさ。
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- 672
- 2013/12/02(月) 11:58:01.09
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てめえで論文書けよ。
はぐらかしはやめろ。
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- 673
- 2013/12/02(月) 12:01:10.64
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「短期間で母音が3つも減るなんてありえない」ってのも松本氏が言ったの?
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- 674
- 2013/12/02(月) 13:12:37.88
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森説の7母音体系に対しては、非常に安定しているから急に5母音になることは考えにくい
というようなことを言っていたような
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- 675
- 2013/12/02(月) 13:45:44.05
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https://www.jstage.jst.go.jp/article/gengo1939/1984/86/1984_86_5/_article/-char/ja/より
しかし, 森氏の「7母音音素説」の最大の難点は, この体系が, すでに述べた
ように, 類型論的に異論のないきわめて安定した姿を呈しているという正にその
点にあると言わなければならない。このような母音体系で/i/と/ï/, /e/と/əi/,
とりわけ/ə/と/o/が全面的に合流するというような大変化は, よほどの言語
外的, あるいは内的な圧迫要因がないかぎり, 到底起りそうもないからである。
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- 676
- 2013/12/02(月) 15:42:30.62
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> 「よくある」「ありふれている」なんて誘導的な文言ひとつでひっくり返すより
発端の人の
> 短期間で3つも減ることなんてありえない。
> とにかく8母音なんてファンタジー
> 今ではネットで瞬殺されるレベルの稚拙な統計処理
「誘導的な文言」の山には一ミリも問題意識を感じないらしい。不思議な人だ
そもそもなんで突然「松本説」言い出したの?
だれも松本説の是非について語ってないんだけど……
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- 677
- 2013/12/02(月) 15:53:35.49
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>>670
名古屋弁や仏語や朝鮮語のそれらの母音がすべて均等の機能負担量だと思う?
仏語を例に取れば生成音韻論で構造分析したらラテン語の5母音体系が復元されてしまった
っていう話があるよね
現代北京語をa、シュワ、引き伸ばし音素の3母音とみたのはトゥルベツコイだったか、
非言語学者が文字を当てたらいくつの母音に分析するかは観察者次第になってしまうだろう
母音調和のような組織的な支えの仕組みがない限り、もともと8母音だの10母音だのは
偏りの多い仮初めの体系じゃないかな
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- 678
- 2013/12/02(月) 15:56:15.62
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>>677
だから上代8母音もあくまで過渡的なものという説があるわけで
結局「ありふれたこと」という決め付けに対する反証にしかならないんだが
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- 679
- 2013/12/02(月) 17:58:26.01
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どっちかっていうと上古・中古にあんなに豊富な主母音を持っていた中国語が
モンゴルの影響で3母音(しかも広・中・狭という珍しい3母音)に収束してしまったほうが
ありえなくてビビる。
文献が残ってなかったら複数の学者から否定されてるレベル
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- 680
- 2013/12/02(月) 19:46:56.86
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母音の数の話になってるけど、
印欧関連の知識全くないんだけど、
子音だけで母音を表記しないっていう古代のユダヤとか聖書関連のヤハウェとかの話も意味わからんよね。
母音が一つしかない言語もあるとか。
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- 681
- 2013/12/02(月) 22:16:05.16
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アラビア文字は今でも基本的に子音しか表記しないよ
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- 682
- 2013/12/02(月) 22:51:17.31
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>>677
その一行目の問いかけは、
「名古屋弁や仏語や朝鮮語のそれらの母音は、均等ではない機能負担量だった
↓
機能負担量が不均等だったがゆえに短期間で母音数が大きく減ったのであって、
上代日本語はそれとは事情が違うから当てはまらないだろ」
という反語ってことでいいの?
でも、上代日本語の8母音(かどうかは分からないが便宜的に)は、
それぞれの間にかなりの出現頻度の差があったことが知られているよ
つまり、名古屋弁や仏語や朝鮮語では母音の機能負担量が不均等だったがゆえに母音が短期間で減りえたとすれば、
上代日本語にも同じことが成り立つよね
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- 683
- 2013/12/02(月) 22:59:19.94
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あと、いわゆる上代特殊仮名遣い自体は、古事記や日本書紀や万葉集に現れるのが典型的だけど、
大量の文献によってはっきりと現れるのは8世紀初期のもの。
それ以前にも断片的な日本語表記はあって、8世紀初期の使い分けから明確かつ体系的に外れるものは無いので、
7世紀にも同様の状態だった可能性は比較的高いが明確には言えない。
そして8世紀中の文献を通じて、上代特殊仮名遣が徐々に崩壊していく姿が観察でき、
最後まで残ったコ/ゴの甲乙が消えるのが9世紀半ば。
つまり、文献上で上代特殊仮名遣が実証できるのはせいぜい1世紀半〜2世紀で、
最初から既に崩壊過程の途上だったと思われるので、それほど安定した体系だったと仮定する必要はない。
むしろ逆に、森博達説に対して松本氏が反論として「安定しすぎている」と批判したほど。
類型上極端に不自然なものは考えにくいが、かといってあまりに安定した体系を想定すると、
短期間で変化してしまった説明が難しくなる。
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- 684
- 2013/12/02(月) 23:22:43.61
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> 上代特殊仮名遣が徐々に崩壊していく姿
ただこれ、オ段についてはかなりはっきりした崩壊過程が見られるけど
イ・エ段は崩壊過程がよくわからない(オ段みたいに順番にこわれていかない)
んだよな
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- 685
- 2013/12/03(火) 00:56:25.01
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本当に甲乙オ段は難しい。特に甲乙ヨはなぜこんな対立があるのかなぞ。
ただ、甲乙イはイとウィの対立、甲乙エはイェとエィの対立であることは
母音融合の理論からも万葉仮名の上古音からも明らか。
なぜ歯音、舌音にその対立がなかったのか議論の余地はあるが
いずれにしても消滅の運命にあったのは確か。
ロマンのある仮設として上代版大母音推移。上古音だと
ウ段=ユ段
甲オ段=ウ段
乙オ段=オ段
なんだな。
甲乙オ段が合流した行からユ段の直音化が起き、ウ段になったとか。
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- 686
- 2013/12/03(火) 07:10:38.33
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甲乙イがイとウィというのは疑問だなあ。
やはりイ乙は中舌的と考えるのがいいんじゃないの。
イ甲とエ甲は子音側にも口蓋化ありで。
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- 687
- 2013/12/03(火) 07:16:45.21
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ユ段w
言語学版にはもったいない。日本史版にでも行ったら?
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- 688
- 2013/12/03(火) 08:41:46.21
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英語では、ウー→ユーの移行があるんだから、
例、CUTE(キュート)、SURE(シュア)、TUBE(テューブ)、
別段、ユがウになっても不思議じゃないよ。
キュシュテュ→クストゥと直音化したと。
万葉仮名では甲オ段の多くがウ段音なので、
もしかして今のウ段は拗音じゃなかったのかなって。
実際、万葉仮名の久や周は拗音だし。
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- 689
- 2013/12/04(水) 18:08:34.71
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携帯の人ってやっぱり藤井なの?
突っ込み所が多すぎてどこから突っ込んだらいいかわからないレベルの事を大量に書き散らしてるけど
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- 690
- 2013/12/04(水) 19:54:57.57
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少し上の人はともかく、今散発的に書き込んでる携帯の人は条件異音に固執してないから
違うと思う
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- 691
- 2013/12/04(水) 20:32:41.32
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でもまぁ、同類だな。
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- 692
- 2013/12/04(水) 20:56:42.76
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藤井さんは本人が運営してるサイトみたことあるけど、
もうなんとも言えない気持ちになったわぁ
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- 693
- 2013/12/04(水) 22:21:03.94
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また乗り込んでくると不快なだけだから
その名前出さない方が良いんじゃないかな
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- 694
- 2013/12/04(水) 22:27:36.34
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ここには来ないでしょ、来てもフルボッコされるだけだし。
素人さん相手にトンデモかましてるだけだから。
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- 695
- 2013/12/05(木) 01:17:45.63
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>>667
syiなんて、ふなっしーかよwwww
>>685
そりゃ、あんたが拗音に執着しているからだwwww
ネタなりにおもしろい奴だと思うw
反面教師的に、上代特殊仮名遣いの初歩的なアウトラインが見えてくる。
ヨに甲乙が揃っていることは、
「少なくとも、オの甲乙は、後に導入される『拗音なる、かなづかいのための概念』とは無関係である」ことを、
たった1例で雄弁に示すものだろう。
「ユ段」なるものも、今の朝鮮人なら言ってもおかしくない。
「偉大なウリマルは25母音あるニダ。劣等ミンジョク・チョッパリのサルどもは、たったの5母音ニダね」
という、伝統的なヘイトスピーチとして有名な話は、
/jV/を独立した母音数としてカウントしてしまうからで、
この発想だと、日本語は現時点でも「8母音」ということになり、「ユ段」が堂々出現するww
尤も、jVをカウントしない朝鮮語の単母音は、今の標準語で8母音しかないし、
そもそも訓民正音の原始設計思想でも、(現代語とはラインナップが異なるが)そもそも母音は7つと想定されている。
(点単独・縦棒・横棒・点が上・点が下・点が右・点が左で合計7つ)
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- 696
- 2013/12/05(木) 01:59:00.92
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8母音がファンタジーだというのは、それ自体はかまわないというか、
考え方として、そんなに突飛なものでもないんだけど、
上代の仮名遣いを素直に読んで、それを内的再構すると、
落ち着くところは、5母音じゃなくて4母音なんだよね。
6や3という少数説もあるが、大野が示した4というのが、論理的に一番自然な線だ。
この「4母音」こそは、具体的な表れ方や、まさに「機能負担」によって導かれる結論。
俺など、667を読んで腸がよじれそうなくらい嗤ったのだが、
何がおかしいって、
「強引に5母音に嵌めこんでいて、その滑稽さに気づいていない」
ところだったりする。
上代の万葉仮名を真面目に読んでいないから、4という数字を思いつかない。
本当に、このスレは、何度も何度も、とんでも学会の学芸会が繰り広げられる。
いつも素人の突っ込みどころは同じ。そしてそのトンデモの方向性も同じ。
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- 697
- 2013/12/05(木) 06:26:27.10
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>>695
いやまあ、イ段の乙が口蓋化っていう説をとるなら、仮にその音が五十音図作られるまで
残ったとき、「ユ段」みたいな言い方で呼ばれる可能性は結構あるのでは。
なんというか、上代特殊仮名遣いって有名な割にそこにスポットを当てて学説的に概観する
解説書ってのが皆無で、どれもこれも他の古代史の話題がメインだったり日本語通史だったりで
どうしても説明不十分になってしまってるのが何度も同じ方向性のトンデモを呼ぶ理由になってる気がする。
条件異音説を唱える本って定期的に登場するし。
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- 698
- 2013/12/05(木) 08:11:07.01
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だからさあ、イエ段に口蓋化の有無を考えるにしたって、その場合は甲類が口蓋化音で乙類が非口蓋化音だってのが定石だろうに。
前舌的な甲類が非口蓋化音で中舌的な乙類が口蓋化音ってどんな音韻体系だよ。
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- 699
- 2013/12/05(木) 21:34:45.13
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しかし>>685を見てもどこにも乙類が口蓋化してるなんて話は書いていない。
いったい誰がなんの説を批判しているんだ。最近の流れは
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- 700
- 2013/12/05(木) 21:54:28.96
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オ段の甲乙の違いは喉音の有無ではないだろうか、ソシュールの喉音理論でも、
あちこちに付随してると仮定されてるし。
http://www.youtube.com/watch?v=mgLmKTJ9oQs
この曲の4:52秒ぐらいからの「よ」の発音みたいに、喉音のHがついてたのかもしれない。
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- 701
- 2013/12/05(木) 21:55:52.45
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オ段の甲乙の違いは喉音の有無ではないだろうか、ソシュールの喉音理論でも、
あちこちに付随してると仮定されてるし。
http://www.youtube.com/watch?v=mgLmKTJ9oQs
この曲の4:42秒ぐらいからの「よ」の発音みたいに、喉音のHがついてたのかもしれない。
時間指定ミスった、4:52じゃなくて、4:42だった。
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- 702
- 2013/12/05(木) 23:18:08.95
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>>701
これは関係ないだろ。
歌で母音を伸ばす時に喉音を入れる歌手は大勢いる。
たとえば
http://www.youtube.com/watch?v=_XK8_a5GFXw
「す」を sü と発音する歌手がいたが、
だからウ段は ü 段だったということになるかねwww
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- 703
- 699
- 2013/12/06(金) 00:11:41.69
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699です。699説に、ちょっと風味付けをした説を考えてみました。
オッカムの剃刀に斬られそうな少々面倒な説ですが、
これは、「森の復元音」という、現実上の音声推定に、平仄を合わせるためです。
>>11-17
なのですが、この発想からすれば、
「エ甲乙(&イ甲乙)があること(>>14でいえば「ふった」こと)」と、
「4母音で言う/i/のみ、前の子音が口蓋化していること」は、論理的に同値です。
ということは、口蓋化の強弱については、二分法のみならず、「三分法」も可能であるわけです。
だとすれば、「受け入れた側(甲乙の無い側)」に、2つの方向性があっても不思議ではない。
少なくとも、奈良平安にかけての畿内語では、t,dは口蓋化の片鱗をまったく見せません。
ここが劇的に変わるのは中世以降で、どうも東国の影響のようです。
そして、rも口蓋化し難い。nは微妙です(「に」をイタリア人が聞けばgnだと言うでしょうね)
t,dについては、まったく口蓋化していなかった、としても、同じ議論は可能なはず。
k,ng,p,bだけが、「適度に口蓋化していた」ため、エ甲乙・イ甲乙が融合できず、横並びになってしまい、
オ乙がセットバックする契機を作ることになった(森説では、そもそも音声的にエ乙とオ乙はバッティングする)
これで、オ乙が揺らいでしまい、オ乙の後舌化が始まることになる。
そして、今度はオ甲乙が合体して、後舌に納まってしまうと、エが一種類しかない行でも、ひきずられてオ乙が後退する。
また、中舌母音枠が消えると、イ乙も居所がなくなって、イに統合されてしまう。
いかがでしょうか。
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- 704
- 2013/12/08(日) 09:18:27.68
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ア(A)、甲イ(I)、ウ(U)、乙オ(O)
乙イ(UI)、甲エ(IA)、乙エ(AI)、甲オ(AU)
A__I__UI__U__IA__AI__AU__O
A__I______U______EI______O
KA_KI_KWI_KU_KYE_KEI_KOU_KO
GA_GI_GWI_GU_GYE_GEI_GOU_GO
CA_CI_____CU_CYE_____COU_CO
ZA_ZI_____ZU_ZYE_____ZOU_ZO
TA_TI_____TU_TYE_____TOU_TO
DA_DI_____DU_DYE_____DOU_DO
NA_NI_____NU_NYE_____NOU_NO
PA_PI_PWI_PU_PYE_PEI_____PO
BA_BI_BWI_BU_BYE_BEI_____BO
MA_MI_MWI_MU_MYE_MEI_MOU_BO
YA________YU_YE______YOU_YO
RA_RI_____RU_RYE_____ROU_RO
WA____WI_________WEI_____WO
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- 705
- 2013/12/08(日) 18:49:58.85
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あ、699 ◆nLORzldheoが帰ってきた。
>>703の「三分法」っていうのがいまいちわからないんだけど、
699としては
・特に口蓋化している音: キヒミケヘメ甲
・半分口蓋化している音 : シチニリセテネレ
・特に口蓋化していない音 : キヒミケヘメ乙
っていう3分割を考えてるっていう考えでいいのかな?
で、郊外化していない キヒミケヘメ乙が中舌母音だったため、
ヘメ乙とのバッティングを避けるためにホモ乙が甲の方に融合した、というストーリー。
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- 706
- 699
- 2013/12/08(日) 22:35:19.80
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>>705
基本的には、そういうことなんだけど(押し出し過程の具体的想定は、前スレに書いてます)
私の議論はいつもそうなんですがw、もう少しザックリと巨視的に考えています。
資料と矛盾なく、演繹できるところまでの「詰め」は、みなさんの批判を仰ぎながらということでw
(いつのまにか、IPAが使えなくなったので、x-sampaで代用します。みにくいですが)
エ甲つまり[{]が高舌化して、本来のエ乙[e]に合流を迫った時、
頭子音によって、次の3つのパターンに分かれた(三分法)。
T型(非口蓋化型)
P型(iのみ口蓋化型)
S型(広範に口蓋化型)
TPSは、つまり、それぞれタ行、ハ行、サ行ということです。(Kが出て来ないところに注意)
本来は、PとSは、各々FとCと書きたいところですが、分かりやすさを優先してこの表記にします。
特にSについては、完全に便宜的なものです。
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- 707
- 699
- 2013/12/08(日) 22:39:31.62
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続き。
T型の場合。
この場合、音声的に少々口蓋化していたとしても、
同時代の母語話者が、それを曲がりなりにも音素的な差として認識する状態ではなかった。
この場合、[{]と[e]の合流について、子音側の障碍は一切ありません。
したがって、エの甲乙は合流する。そして、オ乙[@]は圧迫を受けずそのまま。
この場合、半狭母音の段には、[e] [@] [o]の3つが並ぶことになります。(4つではない)
イ乙の問題だけ残りますが、これは後ほど。
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- 708
- 699
- 2013/12/08(日) 22:43:52.68
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S型の場合。
この場合も、T型と全く同じで、障碍は存在しません。具体的に森想定音で書いてみますが、
699の当初の形においては、
エ甲[tS}] エ乙[tSe] オ甲[tso] オ乙[ts@]
と、こうなるわけです。エ甲が高舌になれば、エ乙と問題なく合流して[tSe]となると。
オ乙は子音自体が違います[ts]ので、エ甲乙と、オ乙が混同されることは、二重の意味で存在しない。
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- 709
- 699
- 2013/12/08(日) 22:52:38.98
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問題はP型です。
P型の場合、ハ行で代表しますが、
へ甲[pj}] へ乙[pe] ホ甲[p@] ホ乙[po]
こうなっていた、と想定します。
こうなると、へ甲が[pje]となっても、へ乙とは合流できません。
しかし、pの口蓋化の安定度は中途半端で、[pje]/[pe]を対立させるほどではない。
そこで、[pe]の母音が、「俺は口蓋化してないぜ!」と言わんばかりに
奥にずるりとズレて、[p@e]のような変な多重母音になる。
「口蓋化プロセスから逃げるための調音点移動」ということで、
そのまま高舌方向ではなく、直角に曲がって奥舌への玉突きが起きます。
そうすると、ホ乙[p@]の領域が侵されてしまい、ホ乙が更に後に玉突きになる。
おそらく最初は[p7]のような音だったのでしょう。しかし、[p7]/[po]の対立を維持できるほど、
オ甲の後舌・円唇性が鉄板では無いから、なんとなく[po]に収まってしまう。
ここにオの甲乙が、音素の上でも消滅する。
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- 710
- 699
- 2013/12/08(日) 22:58:01.43
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基本の3つのパターンはこのようです。
「フルスペックで残ったカ行は?」ということですが、
カ行は、P型とT型の中間なのではないか、と理解しています。
エ甲乙に関してはP型と同様の動きをし、かつ、[k@]と[ko]の対立が残存した。
これは、Kの調音点の恩恵なのだろうと思います。
後舌の微妙な母音弁別をアシストする頭子音Kの力は強く、
おそらく、[k7]/[ko]の対立として、ここだけ百年長く生き延びたのではないか、と推測しています。
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- 711
- 699
- 2013/12/08(日) 23:12:03.12
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こうやってみると、8世紀の段階では、カ行が例外に近く、
本来は、半狭母音の欄には、「母音が3つがマジョリティ」ということが、浮き彫りになります。
これは>>5を見れば明らかなのですが、
「中段に母音が4つも!」という大野の悩みは、杞憂だったのかもしれません。
ひょっとすると、エ乙とオ乙は、「音声的にはほぼ同じ音」([@\]か)だったのかもしれない。
つまり、8世紀段階では、
<一般>
i (I) u
e @¥ o
A
<例外としてのカ行>
i I u
e @ 7 o
A
最初の699想定と、形の上ではさほど違いが無いことが分かります。
(これは、森想定に対する「安定的すぎ」批判の本来の中身で、675引用先自体の論理は、いまひとつしっくりこない)
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- 712
- 699
- 2013/12/08(日) 23:18:25.42
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最後に、イ甲乙ですが、これは音韻表を見てすぐに分かるように、
中段でエ乙が支える音であって、オ乙が支える音ではありません。
699以来の説を前提にすれば、このことの意味は、おそらく2つある。
一つは、イ甲との間の弁別を支える問題として、口蓋化問題は、避けて通れないだろうこと。
もう一つは、円唇性の問題は、朝鮮語などと違い、日本語では一貫して大きく機能していないこと。
もうお分かりだと思いますが、私自身は、具体的音声の推定としては、>>647のような発想に近いものです。
つまり、子音も母音も両方に差を認めるので、
その意味では、「同母音で口蓋化ではないよ」という森説の骨子に矛盾するものではありません。
まあ、こんなところですかね。複雑になっただけで、本質的な批判点には答えられてないかもw
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- 713
- 2013/12/09(月) 12:07:57.54
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森想定の元になった中古音の方から見て有りうるんだろうか?>カ行だけ母音の音価が違う
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- 714
- 390
- 2013/12/10(火) 21:24:44.44
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>イ甲との間の弁別を支える問題として、口蓋化問題は、避けて通れないだろうこと
森推定音ではいまいち明らかになっていないけど
河野六郎とかは
・イ甲 : 口蓋化した拗音を持つ漢字
・イ乙 : 口蓋化していない拗音を持つ漢字
が割り当てられてるって指摘してたみたいだよね
http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/metadb/up/kiyo/AN00090146/kokubungakukou_51_10.pdf
少なくともイ列は口蓋化のある・なしで甲乙が分かれていたと考えてもいいのかも
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- 716
- 2013/12/12(木) 20:21:13.10
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口蓋化←サ行⇔タ行→円唇化
口蓋化←ザ行⇔ダ行→円唇化
口蓋化←ヤ行⇔ラ行→円唇化
の対立でイエ段甲乙の対立が存在できなかったと見る。
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- 717
- 2013/12/15(日) 13:11:23.91
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>>560だけど、いろいろ検討してみたけど確かに>>605の有坂法則に関する指摘は致命的だった
そこで、改めて根拠を挙げながら自説を検討し直してみようと思う
まず、ツングース語の一派がAN語の語彙を大量に取り入れて日本語が生まれたとする村山説とは逆に、AN語から分岐した一派が比較的遅くにツングース語の影響を受けて日本語が成立したと考える
具体的には、日本語祖語は西マラヨ・ポリネシア語派(つまりフィリピン諸語、インドネシア諸語と同じ系統)に属する言語だっただろう
根拠は同源と思われる単語が大量に存在すること、日本語の単語のアクセントがMP祖語のものをほぼそのまま継承していると思われること、
古い時代の日本語がa,i,u,eの4母音体系であったと思われること、日本語がインドネシア諸語と類似した形(孤立語的)だった時代があると思われること
日本語が古い時代にインドネシア諸語と類似した変化をしたと考える根拠は、同じように接頭辞が化石化して接中辞は消滅していること、
孤立語的な文法だったと思われる時代があること、日本語が他の西MP諸語と同じような母音体系の変化をしていること
母音体系については>>386が説明してくれているけど、西MP諸語で起きた母音体系の変遷は明らかに日本語のそれと全く同じ
次にツングース語が流入したと思われる時代だが、ツングース語のu"が日本語のo2に対応していることから流入が8母音時代以前に遡ることは確実だろう
何故なら、もしも8母音時代に流入していたならば、円唇前舌狭母音であるu"はほぼ同じ音である日本語のi2に対応するはずだから
そして語彙と比べて助詞にツングース語由来の単語の割合が多い理由も、一度孤立語のようになっていたのがツングース語の影響で膠着語に戻ったためであると考えれば説明できる
形容詞が上代には活用しなかったのはツングース語では形容詞が無変化詞だからであると考えられるのが根拠の一つ
日本語の語順がSVOになったのもこの時だろう
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- 718
- 2013/12/15(日) 13:12:49.11
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致命的なのは、有坂法則をどう考えるかという部分
仮に有坂法則を母音調和と解釈するならば、その体系は陽母音[a,o,u] 陰母音[ə] 中性母音[i]となる
これは満州文語の母音調和とほとんど同じ体系だし、現代フィン語の体系とも類似しているので母音調和としてそれ程おかしな体系ではない
ここまではいい
問題は、>>572や>>595の指摘について上手く解答できないこと
当初は有坂法則に使われているa,o,u,ə,iの5母音が俺が想定するツングース語流入時の日本語の母音体系と綺麗に一致することと、
「チュルク語→モンゴル語→ツングース語→中期朝鮮語(→日本語)」の順で地理的に連続して母音調和の拘束力が緩くなってることの2点を根拠に有坂法則をアルタイ的な母音調和だと解釈してたんだが、
そう考えるには中性母音についての説明をしなければならないが、アルタイ語に限らず母音調和を有する言語をいろいろ調べてみたけど確かに祖語段階で既に中性母音を持っていた言語は存在しないんだよね
すると、>>595の言うように有坂法則を機能的な母音調和体系として解釈することが困難になってしまう
もっとも、日本語の場合はウラル諸語やアルタイ諸語のそれとは違って本源的なものではない(仮に俺が考える>>560の時系列を放棄したとしても日本語に本源的な母音調和を再構するのは困難だろう)から、
「他言語から借用したものであり本源的なものではないため」と問題点を説明することは不可能ではないけど、
だとしても今度は何故統語的に不完全な母音調和を借用し、しかもそれが固有語をも統語するほど強く影響したのかという点について説明しなくてはならなくなるが、それも困難
せめて古代朝鮮語における母音調和の体系が明らかになれば(朝鮮語の母音調和も多分本源的なものではないだろう)それを参考に出来るんだけど
今挙げた問題点は俺の考える>>560の説だけに限らず、日本語の起源を考える上で必ずぶつかる問題だと思うんだけど、有坂法則って一体何なのだろう?
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