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- 2016/05/04(水) 16:10:30.31
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(1) 原産と生態
キク科ガーベラ属はアフリカ、マダガスカル、西アジア、インドネシア、日本に約40種分布している。
茎は有毛でロゼット化し、葉は葉身が長く、幅の広い披針形をしており、斜上して広がる。原産地に
近い南アフリカ共和国プレトリア市の気候条件は年間降水量746mm、年間平均気温17.8℃と温暖
で乾燥した気候である。従って、ガーベラの生育にとって夏季の高温多湿、冬季の低温などは厳し
い栽培環境といえる。
(2) 温度と生長・開花
植物の生理的代謝反応が始まる温度は生理的零点(A thermal zero of vegitation)と呼ばれる。一
般植物では摂氏5℃前後といわれている。温度の影響を受けやすいガーベラの切り花生産では、こ
の生理的零点が重要である。品種「フレデジィ」の花柄の伸長量は、室温を3℃とすると地温8℃、室
温6℃とすると地温6℃が伸長生長が止まる生理的零点とされている(E.Berninger)。到花日数と早期
の花柄の伸長率には室温の影響が、花芽の出現する間隔、切り花長及び後期の花柄の伸長率には
地温の影響が大きいことが明らかになっている。
東京農試の地温上昇効果の調査では、定植後1年目の冬季における株当たりの採花本数は高地温
区ほど多くなったが、2年目は一部の品種を除いて差は認められず、株の充実程度により地温の影
響が異なるものと考えられる。これに対して、切り花長は長花柄品種を除いて1年目、2年目ともに高
地温区で長くなり、切り花の品質においても高地温区ほど高品質化が認められている。
(3) 水分と生長・開花
東京農試の栽培試験によると、ガーベラの生育ステージ毎のかん水点(Watering point)は定植直後
の1ヶ月は栽培床の土壌水分張力を pF1.5〜1.7で管理し、2ヶ月後からは pF2.0、切り花生産に入る3
ヶ月後からは更に乾燥状態の pF2.0〜2.3にすると良いと考えられている。
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