【駄洒落で】ダジャレー夫人の恋人2【創作】 [sc](★0)
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- 2011/01/01(土) 00:37:24
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背筋が凍るような駄洒落を一つ聞かせてくれないか
前スレ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1234984585/
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- ◆KazZxBP5Rc
- 2011/01/01(土) 00:39:06
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今年もまたこの季節がやってきた。
私は毎年のお得意先から依頼を受け、仕事に取り掛かることにした。
車を飛ばして30分、うさぎパークにやってきた。今年は近場で嬉しい。
去年買い換えたデジカメでビデオや写真を撮影したり、直に触れ合ったり、スケッチを取ったり。
実に充実した一日だった。
何? 遊んでいるだけだって?
それは大いに誤解だ。これは取材。歴とした仕事の一環だ。
次の日から私は構図を練りはじめた。
そう、私はイラストレーターなのだ。
前日に集めた資料を見返しながら、自分の持てる想像力の全てを尽くす。
結局、野を駆けるうさぎ、デフォルメしたキュートなうさぎ、バニーガールなど、いくつかの案を採用した。
構図が決まったら次は下描きだ。
薄い鉛筆で、まずは大雑把に、そして徐々に細かく輪郭を形作ってゆく。
納得いかないときは最初からやり直す。頭の中にしかないイメージを現実に見える形にしてゆく重要な作業だからだ。
下描きを完了させた私は、洗面所から水を汲んできて机の上に置く。
それから部屋にしまってある水性絵の具のセットを広げた。
このご時世、コンピュータで一から描くこともできるが、私は手作りの方が好きだ。
……まあ、これらの作品も最終的にはコピーされる運命なのだがな。
チューブから絵の具をひねり出し、水を少し混ぜる。
赤や黄色、微妙な加減で絵の具を混ぜて、うさぎの毛色に近づけてゆく。この作業は楽しい。
必要な色を一通り揃えてから塗るのが私流だ。
塗る時は基本に忠実に。ムラを作らないように。
細かい毛並みの表現などが終わったら、最後に文字を入れる。
これも大事なデザインの一部だ。
一字一字、真心を込めて丁寧に書いてゆく。
うむ、今年も満足のいく出来に仕上がったようだ。
仕事を終えてしばらくが経った。
誰もが忙しく走り回る12月だ。
私は仕事の成果を確かめにデパートに来た。
私の作品は今年も好調な売れ行きのようだ。
良かった。そうでなくては私の異名が泣くだろう。
毎年、干支をあしらった年賀状で人々の心を掴んできた、「賀正の画匠」という名が。
おわり
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- 2011/01/01(土) 00:58:18
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復活キターーーーーーーーーー!
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- 2011/01/01(土) 03:16:26
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本堂から、ちらりと参道を見やる。
境内は産廃……もとい参拝客でごった返している。正月なのだから無理もない。
普段は神社仏閣なんぞ見向きもしない癖に、こんな時だけはちゃっかり神仏頼みとは、現金なものだ。
――謹賀新年ならぬ、金が信念といったところか。
初詣の賑わいは、寺の和尚として本来なら喜ぶべきことなのだが、彼らの幸せそうな笑顔を見ていると、
こんな捻くれた嫉妬や皮肉にばかりとらわれてしまう。
悟りなんぞとは程遠い、煩悩の極致であろう。
――あれからもう五年になるのか。
早くに妻を亡くし、男手一つで手塩にかけて育てた息子が、駆け落ち、勘当同然で家を飛び出したのも、
ちょうど年明けの頃だった。
「僕には僕の人生がある」
そう言って息子は私の許を去った。
私の跡を継ぎ、立派な住職となってほしい……その一念で仏の道を説いてきたのに、私は裏切られた。
それ以来、私の信心は揺らいでいる。
慌ただしくひとしきりの雑事を終えると、日はとうに暮れていた。
一人きりの遅めの夕食の支度をしていると、戸口に人の気配がした。
立っていたのは……息子だ。
隣には女性、そして息子の足の影に隠れるようにして、小さな女の子の姿があった。
私の姿を見ると、息子は深々と頭を下げた。
「父さん、すまない……」
ゆっくりと顔を上げる。
「もう一度、やり直せないかな」
その言葉を聞くや、自分でも驚くことに、私の中にあった全てのわだかまりは一瞬で消え去った。
涙が頬を伝う。
「ああ、もちろんだ……さあ、上がりなさい……」
これまでの長年の修業でも掴めなかった何かを、今、この瞬間に得られた気がした。
「彼女が妻だよ。そしてこの子が……」
初めて会う孫娘は、小さい頃の息子によく似ていた。
「ほら、この人がおじいちゃんだよ」
息子に言われ、おずおずと私に近づいてくる。
私がゆっくりと孫娘を抱き寄せると、彼女は少し照れたように笑い、私の濡れた頬にキスをした。
「これがほんとの、和尚がチューだね」
息子が優しく笑いながらそう言った。
私も涙を拭き、にっこりと笑い返した。
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- 2011/01/01(土) 09:55:52
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乙
ええ話や
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