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  • 2015/10/25(日) 02:10:10.73
 一般にいって犯罪学的事実の教えるところによれば、思慮分別のある犯罪人は犯罪による利得と
発覚した場合の損失を比較考量してその手段とを決定するものである。
たとえば盗犯の手段についてこれを見るに、概して年少犯罪人はこの種の思慮を欠くがために、
強盗またはその結果的加重犯のような重い犯罪をたやすく犯す傾向があるのに対し、
年長犯罪人は強盗罪についての重い刑罰を考慮して、できるだけこれを避けようとする傾向が見られる。
この一例によって察することもできるように、刑の軽重はある種の犯罪人には意味を持たないかもしれないが、
他の手の犯罪人には相当大きな意味をもつものである。人間が最も大きな執着をもつところの生命を奪おうとする
刑罰の存在が、犯罪にたいして大きな抑制力をもつのが当然であると言わなければならない。

 植松正『刑法総論』

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