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  • 2015/07/10(金) 08:32:32.44
原田國男著「量刑判断の実際」は量刑研究をする際に最初に読まれるべき本のひとつで、実務感覚に基づいて書かれている。
その中に、「被害感情と量刑」という章がある。15pぐらいなので、詳しくは読んでもらえればいいが、だいたいこんな感じ。
参考になれば。

(1)実務の寛刑化の傾向(業過など)と、被害感情(さらに国民感情)とのずれ

(2)殺人では寛刑化がなく、量刑判断に影響がないのでは?という実務感覚がある。
ただし、被害者が宥恕していることは、死刑回避判断には影響している
強姦既遂については、かつては示談が成立すると執行猶予がつくという実務があったが、
損害賠償を受けるのは執行猶予とは関係なく、当然であり、厳しい態度で臨む裁判官が増えてきた。
それは、女性の尊厳を踏みにじるという、結果をより重く見るようになったということ。

(3)被害感情の客観化
・被害者の応報感情は自然の発露だが、むしろ日本人は感情を押さえ込んで、余計苦しんでいる場合が多い。
・しかし、被害者の応報感情を裁判所がそのまま受け入れるべきではない。精神的なケアが必要。
・被害(法益侵害結果)により平素の生活に、どのような身体的、精神的、経済的な支障を生じているかを見る。
・そのことで、公平な量刑を実現を図る

ただし、持っているのは平成18年版なので、裁判員制度が考慮に入れられてない。
原田先生も高裁に移られてから退官したので、裁判員は殆どやらなかったそうだ。

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