facebook twitter hatena line google mixi email
★お気に入り追加


■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

  • 1
  •  
  • 2021/06/11(金) 18:21:06.94
度重なる撤退や、肉マネーの廃止、そしてペッパーランチ事業の譲渡……いきなり!ステーキについてのニュースを見ると、2017年の立ち食いステーキブームの火付け役となり、時代の寵児(ちょうじ)となった面影はもはや失われている。

 急速な全国展開とブームの終えん、後発企業との競争があだとなり、18、19、20年といきなり!ステーキを運営するペッパーフードサービスは赤字続きとなった。ピーク時の同社株価は7000円台だったが、上場廃止のイエローカードともいわれる「疑義注記銘柄」に指定されたことや債務超過状態に陥ったこともあって、21年の1月中旬には240円まで売り込まれていた。

 そんないきなりステーキを巡っては、5月21日のペッパーフードサービスにおける社内報で、グラム単位で販売する肉カットの際に、顧客の注文より少しだけ多く肉を切り分ける方法を紹介したとして現在進行形で炎上中だ。

 ほかにも、肉マイレージや会員カードのシステムに大幅な変更を加え、「改悪」と顧客に非難されたり、同社の電子マネー「肉マネー」を廃止したりと、ヘビーユーザーからの批判の声が根強いなどネガティブな話題も飛び交っている。

嫌われ者「いきなり!ステーキ」に復活の兆し?

 しかし、そんないきなり!ステーキは、にわかに“大復活の兆し”を見せている。これはペッパーフードサービスにおける半年間の株価推移を見れば明らかだ。同社の株価は、5月半ばから上昇に転じ、今では1月の安値から2倍以上となる512円で推移している。

 「企業の凋落(ちょうらく)」という話題が衆目を集めやすいのは確かだが、それでも冷静に同社をみていくと、いきなり!ステーキの敗戦処理が大方片付いた結果、悲願であった同社の黒字化がおぼろげながら見えてきた。モバイルオーダーの導入など、想定よりも早期の黒字化も達成できるかもしれないという思惑もあり、今株価が急騰している。

 ペッパーフードが5月に公表した決算資料によれば、21年の12月期の売上高は22.3%減となる241億円だが、最終益は5400万円と、4年ぶりの黒字となる見通しとなっている。

 確かに営業利益単体ではマイナスで、厚生労働省の雇用調整助成金といった営業外利益のゲタ込みで、最終黒字予想が出てはいるが、営業損失自体も前年の40億円から3億6400万円に大幅圧縮されている。それだけでなく、21年は現状8.6億円の営業赤字が出ているが、期末にこれが3.6億円の営業赤字に縮小するということは、向こう2四半期に限っては5億円ほどの営業黒字が生まれてくる可能性もあるということだ。

 そもそも、ペッパーフードの赤字は、不採算店舗の撤退にかかる一時的なコストの高まりで、これまで数字上は大きく見えていたが、一度撤退が終われば残るのは採算性のある店舗のみということになるため、黒字化のための前進と捉えられる。

また、一般に改悪とされるいきなり!ステーキの目玉でもあった各種の還元システムを見直したことも経営上は評価すべきである。今回はあまり触れられていない肉マイレージ改悪の経営効果について深掘りしたい。

6/11(金) 7:05
https://news.yahoo.co.jp/articles/2edc5e7bc3b38b3976e354e6d863edf3aefec462

写真
https://amd-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd/20210611-00000024-zdn_mkt-000-2-view.jpg

ここまで見た
  • 2
  •  
  • 2021/06/11(金) 18:21:22.95
そもそも、肉マイレージは持続不可能なシステムだった?

 肉マイレージが“改悪”されたと見なされているが、これは紛れもない事実だ。なぜなら、これまでの肉マイレージ制度は経営の持続可能性を逸脱し、顧客に過剰な還元を行っていたともいっていいからだ。

 従来の肉マイレージは、一度指定されたグラム数を食べ切れば、年に一度いきなり!ステーキに行けば失効しない永続的なライセンスであった。そして、肉マイレージが3000グラムに到達した時、つまり300グラムのステーキを10回食べれば、以降はソフトドリンクが無料になるだけでなく、誕生月にはリブロースステーキが300グラム無料で食べられるクーポンも付くゴールドカードへ昇格する。

 ここでいきなり!ステーキのビジネスモデルをおさらいしたい。飲食業界、とりわけステーキ店としては珍しく、肉の原価率は6割もあった。飲食における原価率は通常3割程度であることを考えると、顧客は同じ値段でも、単純計算で他店舗より2倍高品質なステーキを食べることができていたわけだ。この原価率の高さは、立ち食いによる省スペース化と回転率の高速化でまかなっていた。

 高品質なステーキで薄利多売モデルを成し得た点が、いきなり!ステーキの成長をもたらしたのだ。これだけでも十分な付加価値だが、それをさらに強化したのが肉マイレージ制度にある。

 ただし、この肉マイレージが厄介な点は「年数が経つほど、ゴールド以上の会員ランク人数が増えること」にある。ある顧客が10回ほど食事をしてしまえば、利益率の高いドリンクの収益は生涯ゼロとなるばかりか、タダで提供しているためドリンクの仕入れ額がまるまる赤字になってしまう。

 この時点でいきなり!ステーキは、ドリンクの無償提供によって5〜8%程度の値引きを実質的に行っていることになる。

 そして誕生日クーポンは、使い方によっては最大で50%以上の実質的な値引きになるシステムであった。それは、年に1回だけいきなり!ステーキでお金を払って食事をすることである。肉マイレージカードがゴールドであれば、誕生月は無料でリブロースステーキが食べられた。そのため、カードが失効しないように年一回だけ利用して、次は誕生月に足を運ぶだけで、一生涯年一回のタダ肉権が得られたのだ。

 ここまで検討すると、肉マイレージは、昨年に騒動となったある納豆専門店の一生涯無料パスポートに似た側面も持っていたことが分かる。

 極め付きは肉マネーチャージである。肉マネーチャージはニクの日、つまり毎月29日にはチャージ代金に15%上乗せして残高が付与される。そして当初、肉マネーのチャージはクレジットカードでも可能だった。クレジットカード決済は、店舗側が3%程度の加盟店手数料を負担することになる。

 ドリンクの無償提供や肉マネーといった各種の施策を合わせると、原価率6割であるにもかかわらず、二割程度の割引を実施しているため、実質的な原価率は7.5割にも達する。これでは人件費や店舗家賃を加味すると到底利益を出すことは不可能だ。

 原価率3割の飲食店でも肉マイレージのような施策を実施している店舗は少ない。改悪といわれつつも、まだに制度として残っているだけ、企業努力の跡がうかがえるといえるのではないか。

 そんな筆者も本項を執筆するにあたり、久しぶりにいきなり!ステーキの実店舗を訪れた。コロナ禍もあってか店舗にはかつての喧騒(けんそう)がなく、席には椅子も用意され、ウリであった“立ち食い”の面影も薄れている。しかし、新メニューのウルグアイ産ステーキはやはり高い原価率に裏付けられた品質で、同価格帯のステーキチェーンと比較しても味の点で競争優位性があると感じだ。

 オワコンといわれつつも、いまだにたたかれたり、話題に挙がっているのをみると、それはある意味では「いきなりステーキ!はもっといけるはず」という顧客の愛情の裏返しなのかもしれない。

お絵かきランド
フリック回転寿司
ここまで見た

★お気に入り追加

このページを共有する
facebook twitter hatena line google mixi email
おすすめワード