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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180315-00000059-san-pol

顧客からの暴言や脅迫など「悪質クレーム」に店の従業員らが悩んでいる問題について、厚生労働省が
対策の検討に着手したことが14日、分かった。月内にもまとめる職場のパワーハラスメント防止に関する
報告書案の中に、同じ職場の悩みとして「カスタマー(顧客)ハラスメント」を明記する。ただ刑法などに
抵触しない限り、悪質性を判断するのは難しく、規制に踏み込めるかは不透明だ。

厚労省は昨年5月、上司や同僚らによるパワハラ防止のための有識者検討会を設置。
政府の「働き方改革」の一環として、予防や解決に向けた報告書の作成を目指している。

一方で、同省には悪質クレームに対する被害の声が多く届くようになり、労働者の安全への配慮が求められる点で、
「客からの迷惑行為は職場のパワハラと類似性がある」とし、職場環境の改善に必要との認識を持ったという。

パワハラの報告書にカスタマーハラスメントの項目を盛り込むのも、有識者から「客だから何をしてもいいと
思うようなところがある。広くそれらがハラスメントの問題であることを周知する意義がある」という意見があるためだ。

しかし、悪質クレームはパワハラと比べて実効性のある予防策を講じることは難しい。客の要望に応じないことや、
客に何か対応を要求することは事業の妨げになる場合があるという。

厚労省が今年1月までに4社を対象に聞き取り調査したところ、「何が顧客からのハラスメントに該当するか
判断基準を設けることは困難」「企業と消費者のクレームに関する紛争を仲裁する第三者機関があれば
企業として対応しやすい」などの声が聞かれた。その上で、職場に悪質クレームの悩みを相談する窓口を設置するなど、
客からの迷惑行為にどのような取り組みが必要かを検討していくという。

労働組合UAゼンセンが昨年11月に公表した調査によると、スーパーマーケットやコンビニなどの従業員の
約7割が悪質クレームを受けていることが判明。具体的な被害として、「バカ」「死ね」などと暴言を受けたり、
買い物かごや小銭を投げられたりした事例もあった。

ゼンセンは悪質クレームが「働く魅力を阻害し働き手不足をもたらす」として、法規制の導入など対策強化を厚労省に要請していた。

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