週刊文春 10月19日(水)16時1分配信
スマホによる「不正行為の疑い」を巡り「竜王戦」の挑戦者だった
三浦弘行九段(42)が不出場になった問題について、対局予定だった
渡辺明竜王(32)が週刊文春の取材に応じ、一連の経緯や自らの
心境について初めて明かした。
三浦九段による、スマホを使用した「将棋ソフトでのカンニング疑惑」の
対局は4局あるとされ、そのうちの1局は10月3日に行われたA級順位戦の
「三浦九段対渡辺竜王」だった。この対局を一部の棋士がネット中継をもとに
リアルタイムでソフトで検証していたところ、驚くほど三浦九段の指し手が
ソフトと一致したという。
それを知らされた渡辺竜王は過去の三浦九段の対局も含めて調べ、
指し手の一致、離席のタイミング、感想戦での読み筋などから
「間違いなく“クロ”だ」と確信したという。
三浦九段に関する疑惑は将棋界の一部で今年8月ごろから囁かれており、
週刊文春も取材を進めていた。他に大手新聞社の記者も情報を把握していた。
渡辺竜王が語る。
「竜王戦が始まってから疑惑が公になれば、シリーズは中断される可能性が高いと
考えました。それだけでなく、タイトル戦を開催する各新聞社が“不正”を理由に
スポンサー料の引き下げや、タイトル戦の中止を決めたら連盟自体の存続さえも
危うくなると思ったのです。そんななかで最悪のシナリオは
『疑惑を知りながら隠していたという事が発覚する事だ』と判断しました」
10月7日、渡辺竜王は日本将棋連盟理事の島朗九段(53)に事情を説明。
それを受けて10月10日に羽生善治三冠(46)、佐藤天彦名人(28)、
将棋連盟会長の谷川浩司九段(54)らトップ棋士7人が集まり“極秘会合”が
開かれた。渡辺竜王から説明を受けた出席者たちからは
「99.9%やってますね」という意見も出て、“シロ”を主張する棋士はいなかった。
その翌日、将棋連盟の「常務会」による三浦九段のヒアリングが行われ、
三浦九段は疑惑を完全否定したものの、結局、不出場が決まった。
一連の不正疑惑や“極秘会合”、「常務会」などの詳細については
10月20日(木曜日)発売の週刊文春が報じる。
<週刊文春2016年10月27日号『スクープ速報』より>
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161019-00006688-sbunshun-soci