◆ヨーロッパのペスト大流行の原因は猫駆除ではない
「ヨーロッパでは魔女狩りにより、猫を大量に殺した。そのためにネズミが増えてペストが大流行した」は全く史実に反します。
ヨーロッパでペストが大流行したのは14世紀であり、14世紀にはほぼ収束しました(その後の流行は散発的なものです)。
対して魔女狩りが行われたのは15世紀から17世紀にかけてであり、ペストがほぼ収束してから100年も後のことです。
ヨーロッパでの魔女狩りは、先に起きた感染症の大流行による社会不安と、人々の不安・不満を解消させるためのスケープゴートを求めたことが発生の原因と言われています。
つまり、「魔女狩りにより猫を大量殺害したことが、ヨーロッパでのペスト大流行の原因」は、原因と結果が逆なのです。