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  • 2010/11/19(金) 22:13:37
【フィギュアスケート】「踊るの大好き」な16歳。村上佳菜子のストロングポイントと本当の魅力
スポルティーバ 11月19日(金)20時49分配信

 村上佳菜子は、齢16にして“魔性の女”だ。

 浅田真央以来の世界ジュニアチャンピオン、しかも注目度の高いオリンピックイヤーに
そのタイトルを取ったことで、取材の機会が増えたシーズンオフ。
記者たち(とくに男性)が次々に「佳菜子派」になっていくのが面白かった。

「一生懸命質問に答えてくれて、取材し甲斐がある」
「気立てもいいし、いつも笑顔でリンクを明るくしてくれる。
あんないい子で、試合に勝てるのか心配だなあ」

 ついこの間まで、「真央、真央」「美姫、美姫」と言っていた男性記者が、そろいもそろって、である。
もちろん、男性記者のなかには「まだ16歳なんだから、もっと初々しい方がいいなあ」という人も、少数ながらいるのだが。

 記者だけではなく、国内外問わず男子スケーターたちにも、村上佳菜子は大人気だ。

「面白い子だし、お笑いのセンスが素晴らしい。僕がボケると一緒にボケてくれるんです(笑)。
スケートも、見ていて楽しくなる演技ですね!」(織田信成選手)

 村上佳菜子は、どう言えば人を喜ばすことができるか、どうふるまえば愛されるか、
それをきちんとわかっているタイプなのだと思う。そして、若くフレッシュで、シニアデビューしたばかりの
1年生の自分が、何を期待されているかもよく知っている。見ていて感心するほどに。

 それはある意味、何も考えることなく素のままで愛される天然系よりも、
けなげで一生懸命な姿だ。自分の発言で周囲の雰囲気が和むように、
自分の振る舞いで人々が気持ちよくなるように、ちゃんと考えられる「空気の読める16歳」。

 自然に場を和ませているようでいて、実はとても気をつかっていて、その結果どんどんファンも増えていく
――女の子として、素晴らしい能力の持ち主だと思う。

 しかし、村上佳菜子が本当の“魔性の女”になるのは、氷の上。

 16歳にしてあの徹底したエンターテイナーぶり。「かわいらしさ」「溌剌(はつらつ)さ」は
彼女の魅力のひとつだが、それを素の部分の表出ではなく、演技として表現できている。
NHK杯やスケートアメリカでの演技、特にショートプログラムやエキシビションを見た人ならば、
わかってくれるのではないだろうか。

「無邪気さ」「明るさ」を計算し尽くしたプログラムを、表情で、リズム感で、自在なムーブメントで
完璧に組み立て、ひとつの「村上佳菜子像」を提示しているのだ。
「カナコ・ムラカミはこんなスケーターです」と、世界中に知ってもらうためのプログラムを見事に演じ切る。

 驚くことに彼女は、ひとつのジャンプを跳ぶ直前まで踊っているのだ。
普通ならば、振付けをこなしながらも、頭の中では次のジャンプを跳ぶことを考えて、準備の動作を意識してしまいがち。
ここが、スポーツとアートが共存するフィギュアスケートの難しさでもある。

 しかし、「踊るの大好き!」な村上の場合、常に「次の踊り!」「次の振り付け!」と、気持ちは踊ることの喜びに浸っているのだ。

 それが顕著なのが、今年のショートプログラム。「エキシビションをもうひとつ作ったみたい」と言われるショーテイストのナンバーは、
試合であることを感じさせないほど軽快に踊ってこそ輝く。

 並みの選手ではまず持ちえない、「次のジャンプを意識している緊張感を、周囲に感じさせない」技術。
それを駆使して、村上佳菜子は2分50秒を滑り切るのだ。

 それは彼女にとって、ジャンプよりもダンスや演技のプライオリティが高いということ。
アスリートとしての努力の跡を微塵も見せずに、自らの演技の世界に観客を引きずり込むことができる。
そのことをスケートアメリカでも証明して見事に優勝した。


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