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  • 2012/12/28(金) 02:10:36.86
 物語が物語らしく進行していくためには様々な切っ掛けや出来事……。いわゆるイベントの進行などが必要とされる訳だが、往々にして、それらイベントの連発具合が不自然に感じられる点が論じられる事はないのだろう。
 なぜならば、それこそが“物語上の必然”であるのだから。

 四国の参愚者 Web Sitettp://www.3fools.com/ 窓に映るは明日の影(全14話) 作:尾崎貞夫

 この物語はエヴァのキャラを使ったオジリナルの学園物であり、内容的には若干ミステリアスなホラー風味な味付けになっている。
 ストーリーラインの中心には王道なラブコメ風味の学園恋愛物(LAS)が据えてあるのだが、その外側を本筋のストーリーを“演出”してみせている別のストーリーで包んでいるといった二重の物語構成になっている。
 そういったトリックの効いた物語であるので、何が真実で何が虚実であるのか、演出の見せ方の妙によって本作の場合には現実と虚構の境界線が曖昧になってしまっており、それが魅力を増すスパイスにもなっているのかもしれない。

 そんな不思議な物語の中でシンジはとある出来事によって一人の少女との関係を深める事になり、それが結果として色々な物を自分の都合の良い方向に向かわせる結果となっていくのだが……。
 そんな、あちらこちらに綻びの垣間見えるイベントの数々は一度疑いを持つと何から何まで怪しく思えてしまうのかもしれない。
 果たして、何処から何処までが現実にあったことで、何処から何処までの記憶が真実なのか。そして、真実は何処にあるのか。さらに言えば、その真実とやらは、現実にあった出来事なのだろうか。
 そんな全ての出来事と記憶が捻じ曲げられた虚構でないと誰が言い切れるのだろうか……。

 この何処までが現実で何処までが虚実なのか、ひどく曖昧で。それだけに魅力的な物語を、未読の方には是非オススメしてみたい。

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