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  • 2016/04/22(金) 07:22:39
81年基準改定で「耐震」のはずが被害… 震度7続発は想定されず

2016年4月22日 07時00分

? 観測史上初めて、震度7を2回記録した熊本地震で、耐震工事をした役場や避難所が損傷し、使えない状態になった。大地震の続発は、
1981年に定められた現行の耐震基準の想定外であり、国も被害状況を踏まえた上で、基準について再検討する方針だ。 (増井のぞみ)

 「数年前に耐震工事を終えていたのに…」と熊本県益城町の職員は言う。鉄筋コンクリート造り三階建ての町役場は、
外付けフレームで補強していた。十四日夜の震度7には耐えたが、十六日の本震で亀裂が入り、倒壊の恐れで立ち入り不可となった。

 熊本市でも、避難所となっている小中学校二十四校の体育館で「筋交い」が破断するなど損傷し、使用禁止に。避難者はより安全な校舎に移った。
「大地震の続発でびっくりしている」と、同市教育委員会施設課の担当者は訴える。市内の公立小中学校は、二〇一二年度末に耐震化率100%を達成していた。

 東京理科大の北村春幸教授(建築構造学)は「大地震は二度来るとボディーブローのように効いて被害が大きい。
一度目で壊れて強度が落ちた建物は、むち打つように大きく揺れて壊れやすい」と言う。「耐震基準は最低限の基準。免震や制震など、
被害軽減のための対策が必要だ」とも。

 一方、国土交通省の担当者は「確かに耐震基準では、繰り返しの大地震は想定していない。しかし全く対応していないわけではない。
六十秒以上の揺れも想定して、構造計算をしている」と話す。長時間の揺れは、複数回の揺れに相当するという考え方だ。耐震基準はこれまでも大地震のたびに変更が加えられており
「被害状況を調査したうえで検討したい」とする。

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