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  • 2006/01/15(日) 19:26:13

〇シャリに砂糖を入れるメリット

米の澱粉質の老化を防ぐ。
澱粉質の老化とは・・・。(炊飯した米は、冷めると「ツヤ」「粘り」がなくなりポロポロになる。これを
澱粉質の老化と言う。)

砂糖には、米の澱粉質の老化を防ぐ効果がある。合わせ酢に砂糖を入れると、シャリが冷めても「ツヤ」
「粘り」が長続きする。

この力を利用したのが、関西のサバ寿司である。シャリに砂糖を入れ澱粉質の老化を防ぐ事により、
長時間・常温保存での味の低下を抑えられる。(京都にあるサバ寿司の老舗は、その場で食べるのでは
なく味の馴染んだ翌日に食べる事を薦められる。)

〇シャリに砂糖を入れるデメリット

味の変化。

米と砂糖は相性が良くない。米料理(雑炊・お握り・焼き飯など)で、味付けに砂糖を使う料理はない。
これは「砂糖の甘み」が「米の味」の邪魔するからである。米本来の味を味わう場合は、砂糖は使わず
塩で味付けをする。(スイカを食べる時、砂糖ではなく塩を用いるのと同じ原理である。スイカに砂糖を
かけて食べると、その味は「スイカの甘み」ではなく「砂糖の甘み」になる。)

シャリの場合も同じで、合わせ酢に砂糖を入れるとその味は「米の甘み」でなく「砂糖の甘み」となる。

〇シャリに砂糖を入れないメリット

米本来の味が味わえる。

料理に於いて、素材の持ち味を引き出すのは砂糖ではなく塩である。砂糖を使わず塩と酢のみで味付け
る事で、米やネタ本来の味を引き出せる。

〇シャリに砂糖を入れないデメリット

賞味時間が短い。

澱粉質の老化によるシャリの乾燥や粘りの低下などが避けられず、時間と共に味が低下する。

その解決方法として登場したのが屋台である。作り立てをその場で食べる。これは当時にして
みれば画期的な事であり、これにより「すし」の保存性よりも味の追求が可能になり、その結果握り鮨
(江戸前鮨)が誕生する。

この様に、握り鮨の場合は砂糖を使わず塩と酢のみで味付け、バッテラなどの関西寿司は砂糖を使い
味付ける。関西寿司は時間と共に馴染む味を楽しみ、江戸前鮨は作りたての美味しさを楽しむ。

〇シャリに砂糖を使った握り鮨について

砂糖を使わないシャリで出前を作ると、店で食べた時と鮨の味が大きく違ってくる。オフィス街
や住宅街など出前注文の比較的多い店はその差減らすため、隠し味として砂糖を混ぜる場合がある。
そうすれば、ある程度シャリの乾燥が防げ味の低下もある程度避けられる。(その際、赤酢と塩の合わせ
酢に砂糖を入れると塩梅が悪くなるので、あえて丸みの少ない白酢を用い砂糖で塩梅を取る。)

〇シャリに砂糖を入れると米のツヤと旨味が引き立つと言う事について。

米のツヤは「米の質」に拠るところが大きい。良質な米は上手く炊けばツヤも旨味も十分でる。
米の質や水加減・シャリ切り等でツヤ・旨味を引き出すのがプロの仕事。ただ、どんなに良く炊けた
シャリでも、時間や冷えによる澱粉質の老化は避けられない。

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