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  • 2015/04/12(日) 08:32:24.34
「原価300円」のピザが2500円で配達される仕組みがわかった

 日本の宅配ピザの市場規模は年間約1260億円。宅配ピザ店が日本に初めてできたのは1985年9月30日のこと。
米国ドミノ・ピザとライセンス契約を結んだ「恵比寿店」が開店した。アメリカでは宅配ピザは自動車で配達されることが多いが、
日本では道路事情を勘案してドミノ・ピザ・ジャパンが宅配専用の三輪バイク「ドミノジャイロ」を導入するなど、独自の進化を遂げてきた。

 現在では主要チェーンだけで全国に約2000店舗、小規模店を加えると約4000の宅配ピザ店があるとされる。
売上シェア1位は「ピザーラ」で34・4%(売上高432億円、12年度見込み。全国552店舗)。以下、「ピザハット」が20・4%(同256億円、369店舗)、
「ドミノ」が17・3%(同218億円、273店舗)と続き、上位3社でシェアの7割以上を占める(富士経済『外食産業マーケティング便覧2012No.1』より、店舗数は各社の回答)。
 外食産業のデフレが相変わらず止まらない中で、宅配ピザの値段は決して安くない。トッピングによって異なるが、Mサイズ(=直径25cm)で1800〜2800円程度の価格帯が一般的。
定番メニューのマルゲリータであれば、ピザーラが1890円、ピザハットが2200円、ドミノが1900円。ただし、「原価」は食材にかけられているというわけでもない。

 フードコンサルタントの白根智彦氏は、「宅配ピザの食材原価は15〜20%程度」と指摘する。Mサイズ2000〜2500円のピザなら、安いものだと原価は約300円に過ぎないという。
「使われる食材の中で値段が高いのはチーズくらいで、Mサイズなら100円前後かかります。
チーズは各社ともこだわりがあってオリジナルのブレンドをしていますから、食材費の40%近くを占める場合もあるでしょう」
 ピザハットを運営する日本KFCの広報も「原価の具体的な数字は明かせないが、チーズは高い。輸入品なので為替も影響してくる」とする。
 ある中堅宅配ピザチェーン関係者は「2000円のピザであれば食材原価は400円強で、そのうち30%の120円程度がチーズ」とし、
「原価約350円のうち約140円をチーズが占める」(別のピザチェーン社員)といった証言もあった。

 チーズ以外の具材については「トマトなどソース類が原価の約10%で30円程度、生地の小麦が30〜60円程度。
その他のトッピングは大手や中堅チェーンであれば一括大量購入でそれほど高くはならない」(白根氏)という。もちろん、トッピングの原価にも差異はある。
「チーズに次いで高いのがベーコンやウインナーなどの肉類。サラミは1枚3〜5円で、ふんだんに盛るピザだとチーズ以上の原価になってしまうこともある。
 野菜では、ピーマンが意外と高い。Mサイズ1枚に約15gを乗せて12〜13円。1枚あたりの原価はオニオンの3倍です。
子供に人気のあるコーンは1枚に80gで約18・5円、マヨネーズは25gで約15円といったところです」(前出の中堅チェーン関係者)
 複数の関係者への取材を総合すると、2000円の宅配ピザの原価は300〜400円程度で、
そのうちの30〜40%がチーズ、20〜30%が生地とソース、残りがトッピング類ということになる。

 宅配ピザが値崩れしないのは、デリバリーの人件費が意外と高くかかるからである。「利益を出すためには配達にかかる人件費を売り上げの15〜20%程度に抑えなければならない。
そうなると時給1000円前後のアルバイトには1時間で平均6000〜7000円を売り上げてもらわなければなりません。1軒1枚ずつだと1時間に3軒回らないと利益が見込めないということです」
(大手ピザチェーン関係者)

 牛丼チェーンのように一人のアルバイトが1時間で何十人もの客をさばくことが不可能な業態ならではの悩みだ。
各チェーンが「店舗まで受け取りにきたら2枚目は無料/半額/割引」といったサービスを打ち出しているのは配達の人件費を削る工夫である。
 アメリカ人が日本の宅配ピザの値段に驚くという話はよくある。たとえばアメリカの
ピザハットのMサイズ(直径約30cm=日本のLサイズに相当)ベーシックピザの値段は8ドル(約800円)だが、日本では同じサイズとトッピングで注文すれば1600円と、実に2倍。

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