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- 2013/12/09(月) 02:03:14.54
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中東TODAY: NO・3035『革命でテレビは役割を果たせるのか』
http://www.tkfd.or.jp/blog/sasaki/2013/12/no_1782.html
アラブの春革命に、カタールのアルジャズイーラテレビが果たした役割は、否定できない。
革命の動きを誇大に宣伝し、火に油を注ぐ役割を果たした。結果的にはチュニジアの革命も、
エジプトの革命も、リビアの革命も成功した。
しかし、その後アルジャズイーラテレビの報道に対する信頼性は、アラブ大衆の間で下がっている。
事実を伝えたのではなく、アルジャズイーラテレビはあくまでも、体制を打倒することを目的として、
歪曲報道をしていたからだ。
しかし、今となってはどうにもならない。それまでの体制は打倒され、新しい体制が誕生した。
しかし、その新しい体制は革命を起こした大衆の意図とは、全く違う方向に向かっているのでは
ないのか。
チュニジアでは、世俗派の若者たちが中心で始まった革命が、何時の間にかナハダ党という
イスラム原理主義の政党を、与党にしてしまっているし、その後の混乱はいまだに続いている。
それでもチュニジア人の賢明と穏健さが、この国の場合は革命後の悲劇に、ブレーキを掛けて
いるようだ。
エジプトでは第二革命が起こり、ついには軍が台頭し臨時政府が誕生したが、まだ落ち着いては
いない。憲法改正から議会選挙、大統領選挙を通じて、安定化に向かう可能性はあろうが、それが
確実なものとはいえない状態にある。
そのエジプトの権力の座から、軍によって追放されたムスリム同胞団の、国内での活動が失敗し、
ついに外国の援助にすがって動き始めている。ムスリム同胞団は『自由と公正』という名の新聞を
発行し、『エジプト25』というテレビ局を設立したが、どちらも成功しなかった。それはプロの
ジャーナリストがいなかったことと、ムスリム同胞団色が強すぎたからではないだろうか。
ムスリム同胞団は結果的に、まともな活動が出来なくなり、今度はトルコのイスタンブールで
テレビ局を開局することになった。テレビ局の名は『ラビーア』で、ムスリム同胞団が軍の施設の前に
座り込み、多数の犠牲者を出した広場の名にちなんだものだ。
>>121に続く
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