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  • 2008/12/14(日) 20:04:48
反射式光学顕微鏡で鋼の組織を見る話です。

資料の表面を鏡面研磨してから、3%硝酸液とかピクリン酸液でエッチングします。
数秒間エッチング液に浸すと鏡面光沢が消えて表面が曇り、組織が顕微鏡で見えるようになります。
レンズ倍率100〜200くらいで金属組織がはっきり見えます。

話題の薬品砥ぎはもっと濃い硝酸液とか使うのでしょう。

顕微鏡で、鋼の粒子と、粒子をつなぐ粒界組織が見えます。
粒界組織は腐食に弱く、粒間腐食でスカスカです。


「薬品は中和するから大丈夫」みたいな考え方は危険です。

肉眼で見えなくても、表面は粒間腐食が起きています。
中和しても元には戻りません。
ことに日本刀は折り返しては鍛錬されるので重ね目が残り、この重ね目は粒界組織どころではなく腐食に弱いです。
深く腐食すれば砥ぎでも取れないかも知れず、もし重ね目に薬品が浸み込めば中和も難しく、将来に禍根を残す元です。


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