上代特殊仮名遣い 二音目 [sc](★0)
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- 2014/05/06(火) 07:53:32.77
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琉球諸語では、イ段とウ段に対応する音節は子音側に変化が見られることも多い。
特に奄美語と国頭語では、イ段とウ段に対応する音節の子音に咽頭化が見られる方言が多い。
また閉音節が許容される方言(加計呂麻方言や宮古方言など)では、イ段やウ段の母音が脱落して閉音節になっていることもある。
例えば「き・ぎ」に対応する音節は沖縄語では子音が口蓋化して「チ・ジ」のようになっているし、与那国語では「ティ・ディ」になっている。
「に・ぬ」に対応する音節は撥音化して「ン」に変化していることが多いし、/-m/ という閉音節がある宮古語では「み・む」がその元であることが多い。
一方で、エ段とオ段に対応する音節は、母音が変化する一方で、子音は原型を保っている場合が多い。
半狭母音の狭母音化が起きたとき、イ段とウ段がエ段とオ段との区別を保とうとして、玉突き上に変化を起こしたと思われる。
全ての音節が変化を起こしたわけではなく、イ段とエ段、ウ段とオ段のそれぞれ一部が合流してしまっている場合ももちろんあるが、
ある方言だけを見ても元がどちらか判別できる場合は結構多いし、琉球諸語を突き合わせれば祖語でどちらだったかは基本的に分かる。
上記のことを考慮しつつ、現代琉球諸語の祖語の母音体系を再構すると、基本的には中古日本語と同様の5母音になるが、
本土方言では /i/ なのに琉球祖語では /*e/ になったり、本土方言では /u/ なのに琉球祖語では /*o/ になるものが一部にある。
それがペラール説の根拠になっている。
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