ロシア情勢総合スレ Part.4 [sc](★0)
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- 2016/06/15(水) 20:12:33.11
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「エキスパート・オンライン」 (Эксперт-online) が、「ロシア国際問題評議会※」 (РСМД) と協同して
2016年6月14日に発表した、ここ数日間のロシアとイスラエルの関係強化を考察した記事がある。
ロシアとイスラエルは、中東における相互不干渉を学んでいる | エキスパート・オンライン
(Россия и Израиль учатся не мешать друг другу на Ближнем Востоке | Эксперт-online)
http://expert.ru/2016/06/14/rossiya-i-izrail-uchatsya-ne-meshat-drug-drugu-na-blizhnem-vostoke/
上記の記事が考察する「中東における相互不干渉」とは、アサド政権シリア、イラン、
レバノンの親イラン武装組織ヒズボラに対して、ロシアが肩入れないよう、イスラエルが
強く求めていることを意味している。
ネタニヤフ首相によると、「それ(ユダヤ人国家の外交政策の優先順位)を、米国から
ロシアに切り替えることは、望ましくないし現実的でもない」 ≪Это нежелательно
и непрактично заменять США на Россию≫ とのことで、米国が、依然として
イスラエルの戦略的パートナーであり主要な同盟国である事実を、改めて確認している。
しかし、ここ数年の出来事は、米国が中東問題を解決できない、または解決を望んで
いないことを示している。具体的には、シリア(アサド政権)、イラン、親イラン(レバノンの
武装組織ヒズボラ)に対し、米国は有効な手立てを打てず、これら反イスラエル勢力が
伸長する事態を招いてしまった。これは、イスラエルにとって、非常に都合の悪い問題だ。
記事の行間からは、「アサド政権への肩入れをするにしても、せめてシリアの空軍基地が
イスラエル攻撃の拠点に転化しないようにしてくれ」、「イランに軍事協力を移転するのは
止めてくれ」という、イスラエル側の悲痛な叫びが聞こえる。この叫びこそ、イスラエルをして
ロシアに急接近せしめたものと思われる。
記事の論考では、イスラエルからロシアに対する見返りとして、ロシア-トルコ間の仲介や、
中東地域での協力を挙げているが、ロシア側のメリットは大きくないように見受けられる。
となれば、やはり、>>515の記事で述べたような、イスラエル情報機関のインテリジェンス
提供こそが、イスラエルがロシアに差し出せる、数少ないカードになるのではなかろうか。
※РСМД (Российский совет по международным делам) は、下記に倣って
「ロシア国際問題評議会」と和訳した。これは「ロシア国際関係評議会」とも訳し得る。
http://r-cube.ritsumei.ac.jp/bitstream/10367/6331/1/as40_osaki.pdf
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