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  • 2015/02/19(木) 20:02:44.26
時間があるので麹菌の増殖について調べてみた。ちょっと難しいが参考になる。

■麹菌の増殖特性とその製麹管理への応用
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/77/3/77_3_145/_pdf

得られた知見を抜き出してみた。
(1)精米を白くして行くにつれ酵素生産は低下するが、低下の度合がアミラーゼで小さく、プロテアーゼで大きい。
(2)高級酒用の麹に高度の精白米が使用されているのも、栄養面から菌の増殖を制限し、若麹になり易い条件を経験的に選んだもの。
(3)蒸米水分が少ないほど酵素をよく生産する。
(4)蒸米水分が多いと出麹の時間が早くなるが酵素活性のよわい麹になる。
(5)通常、白米100kg当り粒状種麹100gが使用されている。
(6)粒状種麹1g当り10^8個の胞子が含まれている。
(7)白米1g当りに10^5個。白米1粒当り2×10^3個の胞子が接種される。
(8)胞子接種量を10倍多くすると見掛けの誘導期が6〜7時間短縮される。
(9)吟醸麹として突破精麹が好まれており、その製造条件として蒸米水分を少くし、麹室の乾湿差を大きくし、低温経過をとる。
(10)突破精は蒸米の表面が乾いたため、麹菌が水分を求めて蒸米内部に菌糸を伸した結果であるとする考えは成立たない。
(11)1個の集落が大きく、その分米粒内部にも伸長し、突破精の状貌を呈したものと考えられる。(突破精は集落の数じゃなく集落の大きさ)
(12)突破精麹とするためには種麹のふり方等により接種量を自米1g当り10^2程度に制限したらよい。(種麹を通常の千分の一。白米1粒当り胞子2個)
(13)標準的な清酒麹の品温経過はもみ上げ31〜33℃に始まり、38〜48時間後40〜42℃で出麹。
(14)25〜40℃の範囲内では発芽に対する温度の影響はほとんどない。
(15)増殖の適温は37.5℃付近にある。
(16)酵素活性からみた培養適温はアミラーゼで37.5℃ 付近、プロテアーゼで32〜35℃である。
(17)麹菌の菌糸体の生産は大気中の酸素濃度の100分の1になっても、これを効率よく利用し、増殖速度に影響はあらわれない。(酸欠はない)
(18)蒸米水分が33%以上では誘導期が短縮されるがアミラーゼ等の活性が低下し、もろみの溶解、発酵に影響する可能性がある。
(19)種麹の接種量が多いほど見掛けの誘導期が短くなり、麹製時間は短縮される。
(20)種麹使用量の1,000分の1に接種量を制限すると突破精になるが、小量の種麹の均一散布は難しいので、ふり方で加減すべき。
(21)誘導期の長さは25〜40℃の範囲で変らない。
(22)菌糸の増殖は37.5℃付近で最も速い。
(23)蛋白質分解酵素は32〜35℃、糖化系酵素は37.5℃付近でよく生産される。

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