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  • 2016/01/03(日) 21:59:54.62
俺の正月の体験だ。
俺は2日から3日にかけて箱根駅伝を観に行く。
横浜の鶴見中継所に陣取り誰にも知られた名所で六尺一本になって声援を送る。
観衆は熱気に包まれこの冬はとりわけ温かいので歩くだけで汗ばみ選手に辛い気候になっている。
俺は般若心経を唱えながら応援する。
最高気温10℃以上の中で応援するのは想像を絶する気持ちよさで寒さで金玉も魔羅も膨れ上がっている。
ブウォーという法螺貝の音がとこからともなく響いてきた。
ようやく来たな。
俺は思った。
中継所の前にユニフォーム姿で天狗の面を被った男が現れた。
男はたすきを脱いだ。
中継所では繰り上げスタートが迫っていた。
残り数百メートルだというのに時計は無常にもトップから20分差に開こうとしていた。
男の息は絶え絶えになっていた。
天狗男は最後の力を振り絞った。
天狗頑張れというエールが観衆から飛び出した。
俺の膨れ上がっていた魔羅もさらに鎌首をもたげ始めた。
記録係がカウントダウンをはじめたた。
天狗男が最後のカーブを曲がった。
天狗男は低い声で呪文を唱える暇もなくとにかく腕を振った。
俺も天狗男の動きに合わせて声を張り上げた。
激しい交尾で温かいのに俺達の身体は熱くなり湯気が立ち昇った。
無常にも繰り上げスタートのピストル音が響いた。
天狗男はゴールしてたすきを抱えたまま倒れこんだ。
俺も倒れこんだ。
二匹の雄はしばらくそのまま泣いていた。
やがて天狗男はチームメイトに抱えられ身繕いをするとどこへともなく消えて行った。
年に一度の箱根。
俺はこれが楽しみで毎年この鶴見へ観戦に来ているのさ。

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