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  • 2014/01/22(水) 02:51:31.70
豚丼が店頭から消えてどれぐらい経つだろうか。
わたしは牛丼よりも豚丼のほうが好きだ。
安価な牛丼は肉質が悪く硬く不味い。
「やれやれ」
わたしはそう吐き捨てて店頭の牛丼チェーン店のメニューを眺める。

――あの日の光景が重なる。
そうあの日も今日のように小雨がぱらつく、寒い夜のことだった。
あの日、あの時、間違えてさえ居なければ
そう、間違えてさえ居なければこの世界はこんなことにはならなかったのだ。

あの日、わたしは今日と同じように豚丼を探していた。
あの日はまだ、豚丼を扱っている店もあったはずだ。
しかし、わたしはそれを見つけることは出来ず、仕方なく自炊することにした。
鼻歌を口ずさみながら、炊飯器からご飯をよそう。
炊きたての暖かさを手に感じながら、豚丼のできあがる瞬間を思い浮かべる。


どんぶりにまたがり――


「もれ象…ダイナミック…」
もれ象ダイナミックがどんぶりにほとばしる。
ぶりぶりぶりブッシャァァァアアアアアアッ!!!!!!
あつあつのもれ丼の出来上がりだ。

第二話へ続く

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