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  • 82
  •  
  • 2021/10/15(金) 02:46:41.50
>>73
警察に「退職金をもらえなかったので離婚した」と書かれた調書に、女性は「退職金をもらえなかったけど」と書きなおすよう要求したという。それは重大な違いだったはずだ。罵られない日常を生きるための離婚、53歳で得た自由だ。その人生が地獄に転じたのは、わずか6年後だった。夫が栄養失調で倒れ、介護が必要になったのだ。

 アルコール依存症患者が入所できる介護施設はなかった。入院をすすめられたが、そんな余裕はなく、結局、夫を引き受け再婚した。それは以前とは別の次元の暴力の始まりだった。

 夫は下の世話をしてもらいながらも暴言を吐いたという。あまりの臭さに吐きながらオムツを替えたこともあった。やがて夫は自力で排泄できるまで回復はしたが、今度は、自室に引きこもった。トイレには行くが、歯は磨かず、風呂に入らず、下着を替えず、雨戸の閉じた部屋で1日中テレビをつけゲラゲラと笑い、時に奇声を上げた。そんな生活が17年間続いた。

 女性が日記をつけはじめたのはいつだったのか。証拠として出されたノートの表紙は花柄で、女性の名が書かれていた。そこには女性の叫びが、短い言葉で綴られていた。

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