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  • 2020/10/19(月) 03:41:15.81
紀元前一四六年、長きに渡るローマ帝国とカルタゴの戦いはついに決着がついた。破壊と殺戮のなかに炎上するカルタゴの市街を馬上から見た小スキピオの名で知られるローマ軍の司令官スキピオ・アエミリアヌスは涙を流した。
敵国の滅亡を目前にして自分の祖国もいつの日か必ず滅ぶであろうことを予見したのだ。
小スキピオの死後、長い時代を経てローマは滅びた。その後も幾つの強国が興っては滅び、あるいは没落した。
人がかならず死ぬように、国もかならず没落する。
人には寿命というものがあり、いつか必ず死ぬ。
国や民族も然り。
この宇宙には永遠に存在し、繁栄し続ける国家だの王朝だの民族だのは存在しないのだ。
最近の日本には自国の衰退をことさら主張し、滅亡を口にする者がいるが、盛者必衰は世の理。そんなことはあたりまえなのだ。
またそのような手合いは日本の衰退や滅亡を口にすると同時に中国の繁栄をことさら強調するが、歴史的に見て日本は貧しい国であり、中国は文化も技術も発達した豊かな先進国なのだから、普通に戻るだけである。たまたま中国の逆境と日本の繁栄が重なっただけにすぎない。
宋の時代の中国は全世界の国民総生産GNPの半分を占めていた超経済大国だった。
経済だけではなく文化レベルも高く、同じ時代のヨーロッパの人々が上流階級でも手づかみで食事をし、排泄物はそこいらに垂れ流していたのとは大違いである。
真に老成した一流国の国民ならば衰退すらも楽しむのが大人というものだ。
本当に素晴らしいのは国際社会での発言力や序列、科学技術や生産力。ましてや軍事力などでははなく文化面の豊かさだろう。日本はポップカルチャーを中心としたソフト・パワーの強さをもっと誇っていい。

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