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  • 2020/10/19(月) 02:12:24.77
西日本に住む20代の女性会社員は数年前、知人男性から性暴力を受けた。
ショックから誰にも相談できず、1カ月半ほどで妊娠が発覚した。
中絶手術を決意し、病院を訪れると、医師から予想だにしない
一言を告げられる。「男性側の同意がないと手術はできません」。
女性にとって男性は子どもの父親であり、暴行の加害者だ。
女性は繰り返し説明したが、医師は「知り合いなら同意がもらえるはず」
の一点張り。別の医療機関でも対応は同じだった。
支援団体にたどり着き、病院を紹介されたのはさらに1カ月後。
体への負担が大きく、費用も高額な「中期中絶」の時期に入り、
死産届の提出も必要になった。「なぜ被害者が何度も苦しまなければ
いけないのか」。心身に受けた傷は深い。
類似した事例が各地で起きているという。
犯罪被害者支援弁護士フォーラムは6月、日本医師会に対し、
加害者の同意は不要とすることを求める要望書を提出。
「病院の方針で加害者の同意が必要と言われ、
中絶手術を拒否された」事例など聞き取り調査で判明した4件を例示した。
医師側が男性の同意を厳しく求めるのは「本人及び配偶者の同意」が
必要と定める母体保護法が根拠だ。医師はこれに基づき、
性暴力の可能性があっても相手の男性を配偶者とみなして
署名を求めることがあるという。
全国の病院が参考にする日本産婦人科医会がつくった同意書の
ひな型には「本人」と並んで「配偶者」が名前を書き込む欄が
あらかじめ設定されている。同フォーラム事務次長の
上谷さくら弁護士は「ひな型の影響は大きい。医師は配偶者欄を
空欄にするのが不安で、加害者の同意を求めてしまうのでは」と話す。
同法は、性暴力による妊娠も中絶の対象としている。
ただ、医師の診察だけで性暴力被害の有無を判定するのは難しい。
日本医師会が2019年12月に東京都内で開いた産婦人科医向け
講習会でも「被害者の証言だけでなく文書による確認が必要」
として起訴状や判決文の確認を求める指導があったという。
また、女性側が性暴力を主張しても男性側に加害の認識が
ないケースも想定しうる。日本産婦人科医会の石渡勇副会長は
「手術したいが、男性側に訴えられるリスクが拭えない」という。
警察に被害を届け出るのをためらう女性が多いとみられ、
19年の犯罪白書によると、過去5年間に性的事件の被害者が
被害を届け出たのは約14%にとどまる。
性暴力被害者支援センター・ふくおかの浦尚子さんは
「病院で中絶を拒否されるのはセカンドレイプになりかねない」
と懸念する。
問題が注目を集めるなか、厚生労働省は8月、母体保護法の規定は
性暴力の加害者の同意を求めているものではないと
日本医師会に文書で伝えた。
上谷弁護士は「『加害者の同意をとってはならない』と
明確にしなければ、現場の医師が同意を求めつづける恐れがある」
と指摘。同フォーラムは日本医師会に全国的な実態調査を求めている。

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