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  • 2020/09/17(木) 17:16:28.53
新型コロナウイルスは主に肺を標的にするが、ほかに腎臓、肝臓、血管も攻撃し、患者の約半数は頭痛、錯乱、せん妄(意識障害の一種)などの神経症状を訴えている。これは新型コロナが脳をも侵す可能性があることを示唆するものだ。

そしてこのたび、新たな研究で新型コロナが一部の感染者で脳細胞に侵入してこれを乗っ取り、自己複製している明確な証拠が示された。新型コロナはまた、周囲の酸素を吸い取って、近隣の脳細胞を死に追いやっているとみられる。

どのようにして脳に侵入するのか、あるいはどれくらいの頻度で脳細胞の破壊を引き起こすのかはわかっていない。脳への感染はまれなようだが、一部の人は遺伝的背景、ウイルス量、その他の理由から脳感染リスクが高くなっている可能性がある。

「実際に脳に感染すると、死に至る可能性がある」と、同研究を主導したイエール大学の免疫学者、岩崎明子教授は話す。

研究成果は9月9日にオンラインで公開されたばかり。正式な論文発表に向けた専門家の査読はまだ終わっていないが、研究は慎重かつ洗練されたもので、新型コロナが脳細胞に感染しうることがいくつかの手法で示されている、と複数の研究者は述べる。

これまで科学者は、脳の画像診断と患者の症状だけを手がかりに脳への影響を推測するほかなかった。「新型コロナが脳に感染する可能性があることはわかっていたが、それを実際に示す証拠は、正直それほど得られていなかった」と、イギリス国立神経学脳神経外科学病院のマイケル・ザンディ神経科医長は語る。「今回のデータによって、実際に脳感染が起こりうることを示す証拠が少し増えた形になる」。

ザンディ氏の研究チームは7月、COVID-19(新型コロナ感染症)患者の一部が重篤な神経学的合併症を発症し、中には神経損傷が起きる例もあるとの研究結果を発表している。

肺の炎症が脳卒中につながるケースも

新型コロナは、嗅覚を司る嗅球、眼、さらには血流を介して脳に侵入する可能性がある。実際にどの経路で侵入しているかは明らかでなく、また感染者に見られる症状を説明できるほど頻繁に侵入が起こっているのかどうかもわかっていない。

「科学的データが臨床的証拠に先行している事例だと思う」とムオトリ氏。

脳感染がどれほどの頻度で起きるのか、そして軽症者や、多くの神経症状を呈することの多い長期患者(「長距離輸送車」と呼ばれる)でも起きるものなのかどうかを推定するには、多くの検視標本を分析する必要がある。

新型コロナ患者の40〜60%は神経症状や精神症状を経験すると、ジョンズ・ホプキンス大学の神経科医ロバート・スティーブンズ氏は言う。しかしこうした症状のすべてが、新型コロナウイルスの脳細胞への侵入に由来するとは限らず、全身の広汎な炎症の結果として引き起こされている可能性もある。

例えば、肺の炎症によって血液の粘着性を高める分子が遊離され、血管を詰まらせて脳卒中につながることもある。「そうした症状は、脳細胞自体が感染していなくても起きる」とザンディ氏は指摘する。

しかし一部の感染者では、感染した脳細胞のために血中酸素濃度が低下することが脳卒中の引き金になっている可能性があるとザンディ氏は付け加える。「患者のタイプが異なれば、病態も異なる可能性がある。(肺の炎症と脳感染の)両方が組み合わさることも十分に考えられる」。

脳の中に霧が立ちこめたように頭がぼーっとなるブレインフォグ、せん妄といった一部の認知症状は、鎮静剤を用いたり人工呼吸器を装着したりしている患者では把握しづらくなる。医師は可能であれば1日に1回鎮静剤の投与量を計画的に減らして患者の状態を評価すべきだと、スティーブンズ氏は話す。

https://toyokeizai.net/articles/-/375947?display=b

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