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  • 2014/10/04(土) 01:57:18.31
あれから約十年後の秋晴れの日

激痩せしたモヒカンは坊主頭となり、真新しい純白の上下スウェットという出で立ちで世に放たれた
電車の切符を買うのもおぼつかない程に世俗離れした身体をどうにか操りながら、真っ先に彼が
向かったのは娑婆との長き別れとなったあの場所であった

あの日と同じカウンター席にようやく腰掛け注文したのは、出所したら絶対食べたいリストの
一位であった、やはりあの時と同じラーメンセットだ

物語の終わりと始まりが交差した店内は、まだ飲んだ帰りから時が止まっているかのようである
人の噂も七十五日というものの、気の遠くなるような季節の移ろいのなかに取り残された自分の
ふがいなさと、支払った代償の大きさに思わず涙が頬を伝った
小さな秋とともに、長い年月の答えを見つけた気がしたモヒカンであった

店員「最後の晩餐セットおまちぃ(笑)」

モヒカン「あーん?」

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