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  • 2015/02/10(火) 12:57:07.29
(耕論)地方へのアメとムチ 菅原琢さん、斎藤貴男さん
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11593806.html

■トップダウン、にじむ不信 菅原琢さん(東京大学先端科学技術研究センター客員研究員)

(略)
その点で興味深いのは、1月に投開票された佐賀県知事選です。
自民党本部と首相官邸による、なかば中央主導で擁立した前武雄市長の樋渡啓祐さんが大差で敗北。
自民党佐賀県連や地方議員の一部が造反し、地元首長や野党などがのった元総務官僚の山口祥義さんが勝利しましたが、その過程で今の自民党と政権が抱える問題が浮き彫りになりました。

 *

<擁立経緯に問題>
最大の問題は、候補擁立の経緯です。
知事選の場合、自民党は国会議員や地方議員の間で候補を探し、党本部に加えて公明党、農協など支援団体の意向も踏まえて絞り込んで決定するというように、勝てる態勢を下から整えます。
ところが佐賀県知事選では、地方が立てようとした候補を政権側が降ろし、「改革派」の看板を掲げる樋渡さんを出馬させました。
その結果、地元の反発が強まり、保守分裂選挙になったのです。

今回、ネット上に「ノーモア樋渡」というサイトができ、話題になりました。
ただこれは急に始まったわけではなく、下地があります。
ネットの選挙への影響は限定的でしょうが、反発を集めやすい候補だったことは確かでしょう。

しかし何より樋渡さんは佐賀県内の一つの自治体の首長に過ぎません。
県内の得票分布をみると南北で様相が異なり、佐賀市を中心とする南部では反樋渡の傾向が明確でした。
トップダウンで一自治体の長を擁立したことが地域間対立をあおり、今回の結果を生んだといえます。
全国メディアでは政権対農協の構図が強調されましたが、地元紙の情勢調査では樋渡さんも農林漁業者から支持を得ており、農協という要素はあまり強くなかったようです。

自民党は本来、地域の声を吸い上げる政治家の集合体という性格を持っています。
地域のことはまず現場に託し、ボトムアップで調整と意思決定をするのが、伝統的なやり方です。
佐賀県知事選ではこうした自民党の基礎を壊そうとしているようにみえます。

■切り捨てられる側の反抗 斎藤貴男さん(ジャーナリスト)
<顧みられぬ民意>

(略)

「佐賀の乱」では、地域の保守性が世間に示されました。
大きな変化を望まない保守層にとって、樋渡啓祐氏は既存価値観の破壊者でした。
市立図書館を「TSUTAYA」の運営会社に委託したり、医師会の反発を押し切って、市民病院の民間移譲を進めたりした。
政府が進める「農協改革」も含め、樋渡氏の新自由主義的な政策と「改革派」としての過剰なパフォーマンスに多くの保守層は違和感を覚えたのだと思います。

地方の知事選で自民党が相次いで敗北する要因として共通しているのは、切り捨てられる側の反抗という面です。
一方で安倍政権は公共事業費を増やし、「土建屋政治をもう一度」という地方の郷愁もかきたてている。
これが国政選挙になると、自民党支持が揺らがない理由にもなっています。

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