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- 2016/10/19(水) 19:16:08.53
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北方領土に関するプーチン発言の真意と日本の誤解
袴田 茂樹
2012年3月8日(木)
ロシアで3月1日に、プーチン首相と国外のマスコミ人との記者会見が行われた。
同首相は日露関係、特に北方領土問題に関して、そうとう踏み込んだ微妙な発言をした。
日本のマスコミはこれを大きく取り上げた。
「引き渡し」は「返還」ではない
ここでプーチン首相が述べたことは明確である。
◆歯舞、色丹2島の引き渡しに合意した日ソ共同宣言のみが法的拘束力のある取り決めである。
日本とロシアの間にはそれ以外の領土問題は、存在しない。
(国後、択捉の帰属問題も交渉の対象とした東京宣言は、法的拘束力のある合意とみなさない)
実は日本のマスコミが報じていないもっと強硬な発言をプーチンはしている。
それは、太字の部分の発言から帰結する次の2点である。
◆平和条約締結後に歯舞、色丹を引き渡すとしても、無条件ではない。
◆平和条約締結後に歯舞、色丹を日本に「引き渡す」ということは、必ずしも主権を日本に渡すことを意味しない。
ロシアはこれまで、日ソ共同宣言で述べられているのは「引き渡し」であって、
「返還」ではないと述べてきた。ロシア側の「論理」が何を意味するか、ここで明確になっている。
主権をロシアが保持したままの「引き渡し」とは何か。それは、例えば日本に経済開発権や住民の居住権を与えても、
ロシア領であることは変わりない、という意味になる。そうなると、2島周辺の排他的経済水域もロシアの水域ということになる。
しかもその「引き渡し」さえ無条件ではないとなると、賃貸(租借)その他の条件をつけることを示唆していることになる。
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