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  • 2016/10/19(水) 06:55:32.16
日ソ交渉に対する米国覚書

1956 年 9 月 7 日
最近のロンドンにおけるダレス国務長官との会談に際し、重光外相からなされた要請に応じて、国務省は今
回の日ソ平和条約交渉中に提起された諸問題につき、とくにサンフランシスコ平和条約の署名国としての米国
の利害関係に照らして、検討を計った。国務省はこの検討に基づいて次のとおり意見を開陳するものである。
米国政府は、日ソ間の戦争状態は、正式に終了せしめられるべきものであると信ずる。元来この戦争状態は、
ソ連邦がサンフランシスコ平和条約の署名を拒否した 1951 年当時から、つとに終了せしめられていなければ
ならなかったものである。日本はまた日本が加盟の資格を完全に有する国際連合に久しい以前から加盟するこ
とを認められていなければならなかった。さらにまた、ソ連邦の手中にある日本人捕虜は、降伏條項に従って
久しい以前に送還されていなければならなかったのである。
領土問題に関しては、さきに日本政府に通報したとおり、米国はいわゆるヤルタ協定なるものは、単にその
当事国の当時の首脳が共通の目標を陳述した文書に過ぎないものと認め、その当事国によるなんらの最終的決
定をなすものでなく、また領土移転のいかなる法律的効果を持つものでないと認めるものである。
サ ン フ ラ ン シ ス コ 平 和 条 約 は ソ 連 邦 が 署 名 を 拒 否 し た か ら
同 国 に 対 し て は な ん ら の 権 利 を 付 与 す る も の で は な い が
日 本 に よ っ て 放 棄 さ れ た 領 土 の主 権 帰 属 を 決 定 し て お ら ず、
こ の 問 題 は、 サ ン フ ラ ン シ ス コ 会 議 で 米 国 代 表 が 述 べ た と お り、
同 条 約 と は 別 個 の 国 際 的 解 決 手 段 に 付 せ ら れ る べ き も の と し て
残 さ れ て い る。
いずれにしても日本は、同条約で放棄した領土に対する主権を他に引き渡す権利を持っていないのである。
このような性質のいかなる行為がなされたとしても、それは、米国の見解によれば、サンフランシスコ条約
の署名国を拘束しうるものではなく、また同条約署名国は、かかる行為に対してはおそらく同条約によって与
えられた一切の権利を留保するものと推測される。

  米 国 は、歴 史 上 の 事 実 を 注 意 深 く 検 討 し た 結 果、
  択 捉 、 国 後 両 島 は (北海道の一部たる歯舞群島及び色丹島■関係条約・文書等23とともに)
  常 に 固 有 の 日 本 領 土 の 一 部 を な し て き た も の であ り 、
  か つ 、 正 当 に 日 本 国 の 主 権 下 に あ る も の と し て 認 め ら れ な け れ ば な ら な い も の で あ る

との結論に到達した。米国は、このことにソ連邦が同意するならば、
それは極東における緊張の緩和に積極的に寄与することになるであろうと考えるものである。

1956 年 9 月 7 日  米国国務省

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